異常潮位・・・12/5野毛屋

午後から雨予報が出ていた為か、船宿はガラガラだった。

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最近イカ釣りに目覚めた弊社の若葉マークのアラカン・アングラー、めちゃワルI氏(59)がどうしてもアオリを釣りたいと言うし、俺も火曜日のリベンジを果たしたいしで思惑が一致、予報が悪いながらも出撃を決めた我々。(本当は釣り歴四十余年を誇るちょいワルH氏も行くと言っていたのだがドタキャン!)

電車組のめちゃワル氏の釣座を確保する為俺は早目に家を出たのだが、到着時には大トモ2枚の釣座札が取られていただけ。あっさり両ミヨシを取る事に成功した。

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数日前から東京湾全体で異常潮位が確認されている。
実際野毛屋の船着き場の桟橋も先端は水没、海面は道路から数十センチの高さにまで迫っていた。潮位が高いと船も高い位置に。よじ登るようにして船に乗り込んで、出船を待った。

出船10分前に必殺仕事人のBGMに乗せて御大・キャプテン勇治がやって来た。(スイマセン、イメージですよ、イメージ。)
G船上に俺の姿を確認すると、
「おう!今日は新しい場所も攻めるし、絶対に大丈夫だぞ!」と絶対が無いはずのアオリ釣りなのに確信的な事をおっしゃる。
百戦錬磨のキャプテンのお言葉、ここは素直に信じましょう。

この日も観音崎灯台を間近に望む神奈川寄りのポイントからスタート。
すると程なく
「あわわわわ\+$#&*?&!!!!!」と意味不明の咆哮が背後から聞こえて来た。
振り返ると
「!」
なんと開始早々めちゃワル氏のめちゃめちゃ悪そうなロッドがめちゃめちゃ悪そうな角度にしなっているじゃないか!
しかも揚がって来たのは本命のアオリ。
「・・・。」
クソっ、この俺様でさえ今期未だ本命の姿を拝んでいないというのに、こんなにあっさり人生初のアオリを釣ってしまうなんて・・・。

この邪心がいけなかったのだろう、次の流しで俺の竿にも「ドン!」という衝撃が走りロッドが絞りこまれたのだが、5m程巻いたところでバレてしまった。チップというよりノリが浅かったってところか?
う~ん、今シーズンのアオリは1杯が遠い・・・。

9時頃から猛烈な下げ潮が流れ始めた。
北風との相乗効果で船は南へ南へと凄い勢いで流され、船長の指示タナもコロコロ変わる。
そして船長が攻めたいポイントもあっという間に通過してしまうようで何度も何度も流し変える。
潮は澄んで透明度が異常に高く、手洗い用にバケツに汲んだ海水は温いというより暖かくすら感じる。聞けば海水温は22度もあるという!

何かがおかしい地球環境。頼むぜ、COP15地球温暖化を止めてくれ!

潮が効いていても釣れるのは右舷トモだけに集中、アオリの活性は決して高いとは言えないようだ。

・・・。

・・・・・・。

釣れない・・・。

本当に釣れないな、今シーズンのアオリは!

潮が澄んでいるから暗色系のエギばかり使っていたのだが、余りに釣れないので俺はセオリーと逆のオレンジ系のエギに変えてみた。
潮止まりも近いし、上げ潮に変われば我々のミヨシが潮先になる。そんな気持ちの余裕もあってちょっとした実験のつもりだったのだが、
「ドンッ!」
キタアア~~~~~!
いきなりヒット、一瞬値掛かりかと思ったこの引きは、紛うかたなきアオリのそれだ!

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挑戦3回目にしてようやくゲットした本命は目測900gはありそうな良型であった。
やった!これでやっと旨い刺身が食えるぜ!
しかし、思い込みは良くないし、たまにはセオリー無視が奏功することもある。
相変わらず釣りから学ぶ事は多い。

潮変わりして以降は北風の影響か上げ潮は余り流れず、更には土砂降りの雨が断続的に降ってきてますます辛い釣りになってきた。

集中力が途切れると、不思議と穂先にラインが絡むトラブルが頻発する。
船アオリエギングとは色んな意味で釣り人の忍耐と情熱が試される釣りだと思う。
そういうところはタイラバとよく似ている気がする。

その後も渋い状況は続いたが、幸運にもなんとかスミイカとアオリを1杯ずつ追加する事ができた。朝一の船長の予言は的中し、爆釣とはいかなくても、十分に満足のいく釣果となった。

タフ・コンディションに耐え兼ねたキャプテン勇治も3時を迎えるとこの時を待ち侘びたかのように高らかに沖揚がりを宣言したのだった。
定時揚がりは珍しい(というのも凄い話だけど)けれど、乗客全員に加え船長も中乗りエストシ君(仮名)も本命をゲット、渋いながらも、そして悪天候ながらも上出来の一日であった。

【釣果】
7時20分出船、15時沖揚がり
アオリイカ 2杯
スミイカ 1杯

【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:スピードマスター201
ライン:PE2号、ハリス:フロロ6号

【ヒット・ルアー】
YAMASHITA ブラウンゴールドオレンジベリー3.5号
YO-ZURI マーブルサクラダイ・ブルーカバー3.5号
YAMASHITA ネオトラッド・グリーン3.5号

【本日の総括】
断続的な雨は、帰港直前から絶え間無い土砂降りへと変わった。

早る心を抑え、豪雨の中を安全運転で帰宅すると、5月以来実に久し振りのアオリ捌きに取り掛かる。

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そうか、そう言えばアオリの薄皮剥くのってこんなにも大変だったんだよな・・・。

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刺身、塩辛、ゲソとエンペラのニンニクバター醤油炒め

旨かった・・・。

本当に旨かった・・・。