風の谷のスミイカ・・・11/15太田屋

嵐の中、トレードウインズで釣り上げた小型真鯛は早速塩焼きにしてその日の昼食に。
イメージ 1


ビールで祝杯をあげていたら気持ち良くなって爆睡してしまった。

そしてその夜は仕事が入っており、夕方家を出て終電で帰宅した。

とても長い一日だった。

とても疲れたのだった。

・・・。

翌朝9時に目を覚ますと、前日2時間足らずしか釣りが出来なかったことによる如何ともし難い欲求不満を感じているのを悟った。
ここで正しい形で不満を解消しておかなければ、翌日から始まる会社生活での正しい判断力が鈍る恐れがある。

そんな訳で皆の幸せの為、俺は疲れた身体にムチ打って忠彦丸の午後スミイカ船に乗る為に金沢八景へと向かった。

しかし風の予報は出ていたものの、高速を降りたら暴風が吹き荒れていた。
嫌な予感がした。

金沢漁港に着くと、駐車場係りの男性が果たして「この風だから船は出ません。」

“ガビーン!”(KING OF 死語)

しかし常々思っていることだが、不慮の事態に直面した時にその状況をいかに上手く乗り切ることができるか?ということがデキル大人の、そして哀しき中間管理職としての重要な資質だ。

考える。

野毛屋の航路上に位置する太田屋が確か午後スミイカをやっていたはずと思い、カーナビで位置と電話番号を調べて問い合わせると、午後スミイカ船は予定通り出船するという。

という訳で思わぬ形で俺の沖釣り史にまた新たな船宿が加わったのだった。

受付を済ませ、ボーッと船を待つ。
するべき事もなく、話しをする相手もいない。
しかし、この“ボーッと船を待つ”時間が、人生にとって有益であるような気がしないでもないから釣りは奥深い。
無用の用、ドーナツの穴、死して屍拾う者無し。

12時頃船が接岸し、午前船の客が降りてきた。
なんでも、海が大荒れで釣りにならず、頭でも4杯でボウズ続出だったいう。
「型見れなかったお客さん、よかったら持って行ってくださーい!」とスタッフが店の在庫のスミイカを配っているような有様だ!

・・・。

でももう行くしかねえ・・・。

負けるとわかっていてもリングに上がるジョー・ヤブキのような気持ちで俺は船に乗り込んだ。

定時に出船、直ぐさま船長から「波が高くて中の瀬のポイントまで行けないので、風裏の横須賀の際を攻める」とアナウンスがあった。

ちなみに中川家兄のような風貌のこの船長、タナやらシャクリ方やらを事細かにマイクでアナウンスしてくれて中々好印象。常連のお客さん達もノンビリ和気藹々としていてイイカンジだった。

15分程走って南方に猿島を間近に望む横須賀沖のポイントに到着。
岸から近いので波はさほどでもないが、なんなんですか、この暴風は!

左舷に釣座を構えた俺は、右側からとんでもない西風をモロに受けた。

合図があって仕掛けを下ろす。
すると3.5mの俺のロッドは風に煽られて横に大きくしなる始末、こんなんで釣りになるのだろうか?
ショート・ロッドも持って来るべきだったな。

激しく風に煽られるロッドに気を取られ中オモリの着底を見過ごしてしまい、もう一度タナを取り直す。そしてシャクルと、あれ?根掛かりしたようでもう一度しゃくってみたら
“ズシン!”
「おおおおおおお、乗ったああああああ!」
船長も「一人乗ったよ。」とアナウンス。
今までに経験のない、1シャクリ目でのヒットだ!しかも引きが強く、もしかしてアオリかも!?
「デケエ!」
海面に現れたスミイカを見て俺より先に声を出したのは隣のアングラーだった。
500gオーバーは間違いない、まるで1月に深場で釣れるようなスミイカ、中オモリを掴んで手繰るハリス3号が指に食い込み痛い程だった。
しかし、エギを掴んでスミイカを持ち、エギを外そうとした瞬間、
“ブシュッ!”と墨の噴射、そして怯んだ俺の手からイカが滑り落ちてしまったのだった・・・。

・・・。

勿体ないことをした。
すぐ隣を流していた第二忠丸のキャプテン勇治に見られたら怒られちゃいそうな失態だ。

でもまあいい。

なにしろ1シャクリでイカが乗ってくるなら魚影(烏賊影)は濃いに違いない。

また釣ればいいだけのことよ!

しかし・・・。
イメージ 2



【釣果】
12時35分出船、16時30分沖上がり
スミイカ 3杯

【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:スピードマスター201
ライン:PE2号、ハリス:フロロ3号

【ヒット・ルアー】
YO-ZURI マーブル・サクラダイ3号
SHIMANO SEPHIAピンク2.5号

【本日の総括】
いや~、実に厳しかったね。
前日も含めて厳しい週末だった。

でもタフ・コンディションの中、二日とも本命の姿を拝め、海の幸を美味しく頂けただけでも良しとしましょう。なんてったって真鯛スミイカも本当に旨いんだから!
イメージ 3

イメージ 4

軽く茹でたゲソとエンペラはポン酢&柚子コショウ、そして相変わらず旨い刺身!

ところで昨年末に野毛屋でエギング・デビューした俺にとってスミイカはアオリの外道に過ぎなかったのだけれど、専門に狙う面白さも発見したし、大きな肝を生かした調理法も徐々に身についてきてスミイカがどんどん好きになってきた。
また、午後の半日船というオプションが加わったことで沖釣りの選択肢が更に増加、今後釣行機会がますます増えるであろうことは想像に難くない。

困ったな…。