世知がらい・・・ラーメン大 本郷三丁目店

月に一度は本郷三丁目にある取引先に行く事になっている。

先方で打ち合わせ中、以前一緒に仕事をしたことのあるスタッフの女の子が俺の姿を認めるとこちらにやって来て、「あの~、後でちょっとお話があるんですけど・・・。」と言いにくそうに言った。

その雰囲気から、あまり良い類の話ではなかろうと思っていたのだが、話しを聞いてみれば果たして「会社都合で今月末をもって退職することになった」との事だった。
所謂リストラである。

厳しい雇用情勢が続いている。

気の毒だが俺には慰めることぐらいしか出来ないし、極論すれば明日は我が身かもしれないのだ。

場を和ませようと、第二忠丸でスミイカを釣る俺とDDVセンパイの写真が載った「つり情報」12/1号(絶賛発売中)を見せびらかせて笑いをとった。

別れ際に「同じ業界で働きたいのでまたいつか何処かで会えたらいいですね。」と彼女。
「そうなると良いね。」と俺。

同じセリフで別れた人は少なからずいる。
再会できた人もいれば、できなかった人もいるが、確率的には後者の方が圧倒的に多いのもまた事実なのだ。

暗い気分で取引先を出ると、気分転換を兼ねて俺の足はラーメン大本郷三丁目店へと向かったのだった。

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ラーメン、野菜多め、ニンニク、魚粉。

二郎系のラーメンにとって褒め言葉にならないかもしれないが、気品すら感じるバランスの良さ、そして入店するのに一度も並んだことのない人気の無さ(失礼!)、決して通っている訳ではないのだが、俺のラーメン・ライフには欠くことのできない大事な店だ。

もしも突然この店が無くなってしまったら、俺の本郷三丁目ライフは今よりもいささか味気無いものになるかもしれないな、と思った。


出来るうちに出来ることを、行ける時に行きたいところへ、やれる時にやりたいことを。

刹那的に追い込まれるのも嫌だけど、やはり人生を考えると楽天的でなどいられないのである。