オラハヤッチマッタダ・・・長栄丸

肉体労働でも頭脳労働でもないが、拘束時間だけは長く精神的負荷の大きい仕事が土曜日に入った。
折角の大潮だと言うのにねえ、マッタク。

翌日曜日は軽くスミイカでも釣りに行って、たっぷり塩辛を作っちゃおうかと思っていたのだが、真綿で締められたような不快なストレスを拭えなかった俺は一念発起、外房は御宿岩和田港長栄丸でタイラバをやることにした!
やはりイライラが募った時には強い引きを味わうことが重要なのだ。

先日大惨敗を喫した山正丸の大原から程近い御宿、自宅からのルートも殆ど同じだ。

細い峠道をドライブしていると、いやがおうでも苦い記憶が蘇る。
クソッ、今日は爆釣して苦い記憶を甘い記憶に塗り替えてやるぜ!

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この日の午後船には俺を含めて8名の客。
そしてミヨシにはパラシュート・アンカーを出し入れする中乗りさん、そして岩瀬船長の父上、大船長も乗り込む。

外房タイラバのパイオニアとして名高い長栄丸は機会があれば是非乗ってみたいと思っていた船だが、最近はハイブリッド・エビングなるタイラバ・ヘッドを用いたテンヤ釣りがメインのようで、俺の他にはタイラバ客は1人だけ。
あとは皆さんハイブリッド・エビングか、最近流行りのひとつテンヤを使ったスピニング・シャクリだった。

あとはアンカー係の中乗りさんもタイラバだったのだが、この3人のタイラバ男達だけが実にボウズであったのだ・・・。(正確に言うならば、大トモに陣取ったタイラバさんは、手の平サイズの子供真鯛を釣ったのだが即リリースしていた)

根魚らしきアタリは頻繁にあったのだが、フッキングには全く至らなかった。
船中はヒラメ、ガンゾウ、ショウサイフグ、マハタと五目釣りの様相。ケッ!皆さん楽しそうですなあ・・・。

出船時から強く吹いていた南西風は次第に暴風へと変わり、外房の海はまたまた荒れてきた。

更に水深は浅いもののキツイ根周りを攻めているようで根掛かりが多発。
丁寧に底立ちを取り辛うじて深刻な事態は回避できていたのだが、潮が早くなり辺りが暗くなってきた5時頃、遂に痛恨の完全根掛かりを引き起こし道糸が高切れしてしまったのだった。

これで完全に心が折れた。しかし俺は未だ何も釣っていない!
強風と高波の中、苦労してFGノットのライン・システムを組み直す。
強風と高波の中でFGノットを結んだことのある方なら分かって頂けると思うが、これが困難極まる作業なのだ!

苦労して編み込みを終え、ハーフ・ヒッチを始めたところで沖揚がりの合図があった。

・・・。

もうこの日釣りは出来ないのだが、半分以上完成したFGノットだけは仕上げようと、俺は無意味なライン・システム作りを続行した。
船はそんな俺に構う事なく岩和田港へと動きはじめた。

外房の高いウネリが飛沫となり、俺の全身を濡らした。
俺は潮と涙で全身ずぶ濡れになりながらも、黙々とFGノットを結び続けたのだった・・・。


【釣果】
12時30分出船、17時20分沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
生半可な気持ちで外房になど行くものではないな。前回身をもって学んだはずなのに、学習能力の低さが露呈してしまった。

ストレス発散の為に遠路遥々やってきた外房、しかし空のクーラーボックスを車に積んで走る帰りの2時間は空しい道程だ。

アンチテーゼがアウフヘーベンをもたらせるのであれば、この体験も俺の成長に一役かったはずだ。

俺の釣り人生は弁証法的に発展していくものだと信じて、懲りずにまた外房へ繰り出そう。

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この日の夕食の風景。こんなはずじゃなかったのに………………………。