ネタ切れタイラバ釣行・・・9/6野毛屋

月曜日の新潟から始まった俺の出張weekは、九州を経由した後に土曜日最終の新幹線で新大阪から東京に戻り終了した。
1週間での総移動距離は3500kmを超え、ホテル以外でのプライベートは皆無に等しく、自分のペースで動くことの出来ない地方での仕事はやはり疲れるものだ。
たとえ美味しい料理と酒を大量に摂取したとしても…。

月曜日からまた慌ただしい1週間が、汚れと欺瞞と我慢に満ち溢れた1週間が始まる。

そこで俺は帰宅してから洗濯と晩酌をし、2時間程仮眠をとってからタイラバ・タックルを準備すると、車を西へ向けて走らせた。

目指すは勿論金沢八景の野毛屋釣船店。
観音崎沖の真鯛もようやく上向きだし、潮も悪くないし、何かしら釣れそうな予感がビンビンにするのだ!

6時20分頃に船宿に着いてみれば、大勢の客でごった返していた!しかし殆どは前日怒涛の釣果をたたき出したフグと、安定して揚がっているコマセ・ワラサの客で、キャプテン勇治のエビタイ船は先行者4名だった。ホッとしたような物哀しいような複雑な気分だ。

結局総勢7名の客を乗せて定時5分遅れで元気に出船した第一忠丸。
この日は台風の影響で強い北東風が吹いておりそこそこウネリがあったのだが、波を見切って減速と加速を繰り返しながら疾走するキャプテン勇治の操船が男らしい。

この日のポイントは終日観音崎~海保~猿島の水深3~40mといった場所で、前回のような10m台の浅場を攻めることはなかった。

既に四隅が押さえられていたので、俺がチョイスした釣座は左舷トモ二番手。船長の真横のある意味特等席だ。
アドバイスを貰いやすいというメリットも勿論あるが、キャプテン勇治のイカしたトークは単に面白いだけでなく豊富な経験と深い見識に基づく味わい深い貴重なもの。仮に魚が釣れなくても、長い目で見れば9500円もする乗船料の元を取って余りあるのだ!(と己を納得させるとボウズでも腹が立たない)

「昨日は周りの豆テン船でガンガン釣れてんのに、俺んとこの船では一回アタリがあっただけでさあ。」「ウチが夏休みに入った途端仲間のラバージグ船がすげえ釣りやがってさあ。」「なんか魚が俺の船を避けてるんじゃねえかって気がしてさあ。」

「・・・。」

返答に困るような野村節全開のキャプテン勇治、しかしそのボヤキが単なる被害者意識によるものではないことがはからずも証明されたのだった。
下げ潮に乗せて駆け上がりを攻めていた第一忠丸だったが、その潮下に鴨居港のエビタイ船が現れた。すると、
「あああ!あのミヨシの客、鯛が掛かったぞ!」
割と近いとは言え相当な距離のある隣の船。それが近視とは言えコンタクトを入れた矯正視力は1.2ある俺には全然見えなかったのだが、
「あああ、船頭がタモ取ったぞ!」
あ、本当だ!
「うわあ、小さいけど本命だ!」
そして直後、
「うわあ、ミヨシの客がまた掛けてるぞ!」
どれどれ?っと疑問の声が上がると
「ほら、あのミヨシの青いジャンバーの客が掛けてるよ!あ、船頭がタモ取った!あああ、今度は型もいいぞ!」
更に、
「お!池田がタモ持った!」
池田?
なんと遥か先のトレードウインズ船を認識したばかりか、船長がタモを持った様子がハッキリ見えたと言う。ホントに?
「あれ?タモを船縁に挿したなあ。バレタかな?」と言うと池田船長に直電かけるキャプテン勇治。そして、
「おい、池田の船で今3kgの鯛が釣れたって!」
・・・。

初めてお目にかかってからまだ8ヶ月程ですが、それでもワタクシあなたが凄い男だとは重々承知していたつもりです。でも何なんですか、そのサンコン並のとんでもない視力は!

その後ポイントを移動する度についてくる鴨居の豆テン船。そして第一忠丸の潮下を流すと、キッチリ本命が揚がるのだった。

「あああなんだよ、俺が先に流してた場所だぞ!」

「こうして連日他の船が釣ってるとこばかり見せつけられてたら神経がもたないぞ!」

延々とぼやくキャプテン勇治。
そして更に他の船まで本命を釣ったのをみると、ついに

「俺の船はコマセじゃねええ!!!!!!!!!」

と絶叫!他船が釣れてるのに我々が釣れない状況、しかも第一忠丸が先に流したポイントで他船がポンポン揚げる状況にキャプテン勇治の何かが壊れてしまったのか?笑い事じゃないのだが、船中は大爆笑に包まれた。これだから野毛屋通いが止められないのだ、俺は!

右舷ミヨシの客が良型のカマスを連続で釣り上げ喜んでいた船長だったが、「○○さん、カマスなんて釣ってる場合じゃねえぞ!鯛釣ってくれよ鯛!」と客に理不尽な要求を叩きつけるキャプテン勇治。
もう無茶苦茶である。

・・・。

午後に入り上げ潮が流れ始めた。
すると右舷ミヨシ二番手で手羽ね竿に大きいテンヤというキャプテン・ユウジ・スタイルで釣りをしていた客にヒット!揚がってきたのは1kg程の綺麗な真鯛だった。

そして次は船長自らヒット&キャッチ!

更に沖揚がり時刻の3時を迎えた頃猛烈な上げ潮が流れ始め、そして程なく船長に
またヒット!2枚目をゲットした。

「潮が良くなってきたからもう少しやるよ。」

という訳で延長戦敢行!

丁度潮先になっている左舷ミヨシの常連さんが今期エビタイ8連敗中とのことで、船長も引っ切り無しにアドバイスを送っている。どうしても釣らせたいという熱い思いがビンビンに伝わってきたのだったが・・・


【釣果】
7時20分出船、16時沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
結局4時まで粘ったものの船中3枚。うち2枚は船長の獲物で客に限って言えば7人で1枚という貧果であった。

もうこれだけ釣れない状況が続くと流石にネタ切れ、これ以上書くべき事が見当たらない。

10月からはイカ釣り船に変身する第一忠丸、果たして俺はもう一度本命の顔を拝むことが出来るのだろうか?

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