前厄男達のREAL ELEGY

ほんの数日前まで影も形もなかった台風が関東に接近、そして未明には静岡を震源とする大きな地震まで発生した。

ここまできたらさすがに笑うしかない。

何故ならば、この日我々前厄男達(俺とDDVセンパイ)は大磯からシイラ船に乗ることになっていたからだ(笑)否、(大爆笑)!!!
もはや何度も経験しているから特に驚くに値しない事なのかもしれないのだが、W前厄による負のシナジー効果は本当に恐ろしい!

代わりに管釣りに行く案もDDVから出たけれど、こんな日に管釣りなどに行ったら落雷か竜巻に遭い死ぬに決まっている。

ということで我々の大人の休日は大きく路線変更、やきとんの名店、東十条の埼玉屋で16時の開店から飲み食いしまくる作戦に打って出た。

最近もまたマスコミに取り上げられ、入店がさらに困難になっているとの事前情報。我々は念には念を入れ15時過ぎに東十条で待ち合わせ、開店50分も前から並ぶことにした。

しかしここで更なる試練が我々を襲う。










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「・・・。」
「・・・。」
もはや言葉もない我々。

しかし予想外の事態に直面した時に、それを乗り切るバックアッププランを直ぐに立案できるか否かがデキル大人の、また中間管理職としての資質や能力だ。そもそも人生とは不測の事態で満ち溢れているものではないか!

アメリカでパスポートを紛失したこともある。
インターステートを爆走中に右後輪がバーストしたこともある。
豪雨の影響で滑走路が閉鎖された為に紀伊半島上空で1時間に及ぶ旋回飛行を余儀なくされた福岡発羽田行きの全日空機内で窓側に座っていた俺の隣でヤクザ2人組が爆睡していた為に機内で飲んだ2本のビールが小便へと形を変え俺の膀胱を激しく圧迫していたにも関わらずヤクザを起こしてまでトイレに行くことも出来ずいつ着陸できるとも知れない機内で脂汗を流しながら150分も堪えたこともある。

そんな数々の不測の事態やピンチを乗り切って生きてきた俺はすぐに行動開始!

で、すぐさま京浜東北線北行に飛び乗り赤羽で下車。ここにも埼玉屋に勝るとも劣らないやきとんの名店「米山」があるのだ。

6時15分開店の米山だが、先程の二の舞にならないようまずは営業確認。するとそこには仕込み作業に没頭するマスターの姿が!

一安心して、近くの鯉と鰻の店として名高い老舗、「まるます屋」で軽く飲みつつ米山の開店を待つことに。
ツブ貝刺身、カワハギ刺身、鰻白焼き、いずれも美味!これらを肴に瓶ビールをチビチビ。
台風で船が出なくても、埼玉屋が休みでも、これはこれで幸せな休みのカタチだ。

1時間半ほど経過した頃だろうか、席待ちの行列ができはじめた。米山の開店まではまだ時間があるけれど、こういう店でのこれ以上の長居は不粋、我々は会計を済ませると近隣のペットショップへと赴き、無垢な子猫や子犬を眺め、色とりどりの熱帯魚を眺め、時間を潰した。

そして開店40分前から米山で並ぶ。
我々が熱く金沢八景・野毛屋釣船店の魅力について語り合っていると、我々のすぐ後ろに並んでた高相容疑者のような茶髪・ガングロ男性が、「あの~、ひょっとして釣りがお好きなんですか?」と話し掛けてきた。

このようにして開店までの待ち時間を初対面の方を交えての釣り談義に花を咲かせて過ごしたのだった。

ビバ、釣り。

さて開店と同時に店内に滑り込むとまずは名物フローズン・ホッピーをオーダー。そしていつものようにマスターが「食いたいもん書いてくれや。」とメモ用紙とボールペンを手渡してくれる。

この日我々がオーダーしたのは半焼きレバー、半焼きタン、半焼きハラミ、つくね、玉子合え、マカロニサラダ、煮込みの7品目。

“半焼き”とあるが実際はごく軽く炙っただけ(2分焼きってところか?)の串は激ウマ!
そして胡椒がピリっと効いた軟骨入りのつくねは俺が知る限り日本一の旨さだろう。

そしてそして圧巻は鰹ダシが効いた透き通ったスープの煮込みだ!

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もうこれが有り得ないというか、本当に旨い訳ですよ!!!
トロッと柔らかいモツは全く臭みもクセもない、これが上品な鰹ダシの汁にベスト・マッチ!モツ以外には薄切りにした白こんにゃくと刻んだネギだけのシンプルな内容なのだが深い旨さと味わいがある。万人のモツ煮込み観を覆すこと間違い無しの必殺・必食の一品と言えよう。

この後近隣の居酒屋へ移動し、サンマ刺身をつまみにビールを飲んでお開き。
さすがに酔っ払いました・・・。

釣りには行けなかったけど、おおよそ8時間釣りの話しばかりしながら酒を飲みつづけた我々、まあこれもひとつの釣行のカタチかもしれない。

しかしシイラ釣りは夏の風物詩、急がないと折角揃えた専用タックルが来年まで御蔵入りしてしまうぞ!

急ぐんだ、DDVセンパイと俺!

夏は短いし、考え方によっては人生だって長いとは言えないのだ。