泥沼・・・7/12野毛屋

定刻の7時15分に出港した野毛屋の第一忠丸は、いつもと違うルートを航行していた。

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目の前には富津岬、いつものポイントである観音崎沖に見切りをつけて今日は房総半島側を攻めるのかね?
などと思ってたら、船は突然減速し富津港に接岸してしまった!
いつから釣り船やめて渡し船になったんだ!?
「すいませ~ん、活エビ買ってきますから!」と言って船を降りてしまった船長。

なんと客を乗せたまま東京湾を横断して餌を買いに行くという荒業だ!
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第一忠丸、只今富津港停泊中・・・。

結局金沢港から30分とかからない観音崎沖で実釣を開始したのは出船から1時間以上が経過した8時半過ぎだった・・・。
翌日から小潮周りで休船になるエビタイ船。微妙な潮が影響してかテンヤ4名、タイラバ3名と客は少なめ。これに加えて船長と助手の計9名が竿を出したのだが・・・。

「なんか風邪ひいちゃって体調悪いんだよ。」と言うキャプテン勇治は、いつもの手バネ竿と大きいテンヤという豪快なタックルではなく、ベイトタックルにイコミテンビン。こっちの方が身体への負担が軽いらしい。

・・・。

・・・・・・。

「おかしいな、昨日は落と潮で8回もアタリがあったのに。」と船長が首を傾げる。
午前中は外道含めて船中アタリゼロ。
どうやら俺は間違った道に足を踏み入れてしまったようだ。

・・・。

何も起こらないまま徒に時間だけが過ぎていった。しかし、ジグを着底させスローリトリーブで10m再び着底させスローリトリーブという苦行のような単純作業の繰り返しにもすっかり慣れてきた。いつアタリがあるのかわからない。でも飽きたり諦めたりしてリトリーブを止めたら千載一遇のチャンスを逃してしまうかも知れない。
曇り予想は一転、まるで梅雨明けしたかのような灼熱の太陽が容赦なく照り付ける。楽しい釣りというよりも苛酷な精神修行といった感じだが、強い精神力を養う為、そしていつか真鯛が釣れることを信じ俺は休むことなく苦行に挑み続ける。

終盤を迎えた2時過ぎ、ようやく速い上げ潮が流れ始めた。俺はジグを色々変え、リトリーブスピードを色々変え、リトリーブ距離も変え、少ないひきだしを総動員。

すると右舷のタイラバ客が鯖を、ついでアカエイを、さらにカレイを釣り上げた。

「よーし、だんだん魚っけが出てきたぞ!」
キャプテン勇治のテンションも急上昇だ。

すると程なく、
「喰った喰った!こりゃタイだ!」
連続で外道を掛けた客のロッドが急角度に絞り込まれているのを見て船長が絶叫した!

長いヤリトリの末に上がってきたのは3.8kgの綺麗なメスの真鯛

「よかった~~~、もう気が抜けちゃったよ。」とキャプテン。
・・・スイマセン、俺は未だ何も釣ってないんすけど!

結局この流しで3時半まで粘って沖揚がりとなった。無念。

【釣果】
7時15分出船、15時半沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
もうどうにもならない、4連敗。
しかも冷静に考えてみれば、乗船3回の野毛屋第一忠丸でいまだボウズどころかただの一度もアタリがない!
毎回1万円の乗船料を払っているのに・・・。
魚の引き味が恋しいなあ。

しかしもはや引き返すことなど出来ない所までやってきたわけです。

釣れるまで止めるわけにはいかないのだ。

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曇り予報が一転、最高の陽気で気分が良かったことがせめてもの救い・・・。