新機軸・・・6/10野毛屋

しかしFGノットって難しいなあ。
なかなかマスター出来ないこのライン・システムを早急に身につける必要に迫られていた俺は、晩酌しながら夜な夜な練習に励んでいた。

そして・・・。

土日もずう~っと仕事が入っていた怒涛の仕事攻めが一段落したこの日、俺は代休を取得するとDDVセンパイと共に野毛屋へ向かった。

設定した携帯の目覚ましが鳴らないというヒヤッとしたプチ・アクシデントはあったが、出船40分前には到着して事なきを得た。管釣りだったらオープンに間に合わなくても釣りはできるが、沖釣りは出船に遅れたらアウト。いや~、よくぞ目が覚めてくれた!

キャプテン勇治のエビタイ船には9名の客。活エビを使うテンヤ釣りが5名、ラバージグが4名という内訳だ。

セッティングを済ませ出船を待っていると「なんだよ、アオリ釣り好きだからテンヤやるのかと思ったらタイラバかあ!」と久々に会ったキャプテン勇治に声を掛けられた。
ええ、すいません。俺(とDDV)はしゃくりが好きなのではなく、ルアー・フィッシングが好きなんです。
そう、この船はあくまでもエビタイ船、テンヤがメインでラバージグはゲストに過ぎないのだ。

船長自らラバージグの操作方法のレクチャーを施すと(身振り手振りの大熱演!)船はポイントへ向けて出発!観音崎やや湾奥寄りがポイントのようで、アオリのポイントに比べると八景からかなり近い。

船長の合図を受けてラバージグを投入。ビギナーズ・ラックでいきなり釣れちゃったりして・・・。
しかし現実は甘くない。
ジグを着底させて、スロー・リトリーブで10m巻く。またクラッチを切ってジグを着底させて10m巻く。この単純作業の繰り返しなのだが、アタリなんて全くないもんだから、とにかく忍耐力を要する。

「おお!キタぞおお!」
俺の釣座の反対、左舷が何やら騒がしい!
お!なんとキャプテン勇治のお手製手バネ竿が急角度にしなっているじゃないか!船中ヒット第一号は客ではなく船長。これもキャプテン勇治らしいと言えなくもない。
多くの客が固唾を飲んで見守る。何しろ本命の型を見ることすら非常に困難なこの釣り、誰かが釣り上げればそれだけでモチベーションに繋がるってもんだ。しかし、
「うわああああ、バレたああ!」
突如大きな声を上げると両手を大きく拡げて空を仰ぎ、そして頭を抱え込んでその場に座り込むキャプテン勇治。その悔しがり様は、まるでPKを外したエース・ストライカーのようだ。
「なんだよ、仕掛けが切れてるぞ!ああ、もったいねえ、5キロはあったぞ!」客よりも釣りを楽しみ、客以上に悔しがる船長の姿に俺とDDVは爆笑しつつ和む。やっぱり野毛屋は最高だ!こんなにもエキサイティングでエモーショナルな釣船が他にあるだろうか?

しかしこの日はクラゲの猛攻がすさまじく、アタリが殆どない。

船中でもサメが4匹上がったのみで本命は型をみず。

船長も沖揚がり時間を過ぎても八景沖の浅場で粘ったのだが・・・。

イメージ 1

最後のポイントは横須賀ドックが見える八景沖。こんな近場にも真鯛っているのか…。


【釣果】
7時15分出船、15時半沖上がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号


【本日の総括】
ノー・ミュージック、ノー・ライフ。
否、ノー・ヒット、ノー・フィッシュ。

タイラバ・デビュー戦はある程度予想していたこととは言え、厳しい結果となった。

しかし真鯛は船中ゼロ、外道もサメだけというお寒い釣果では諦めもつくというものだ。

DDVは本命らしきアタリがあったが、ドラグがユルユルでバレてしまったらしい。
最初のレクチャーで「ドラグは強めに締めろ!」と船長から言われていただけに、「いや~、あれだけ言われたのにドラグがユルユルでバラしたなんて言ったらキャプテン勇治に怒られちゃいそうで言い出せなかったよ。」とのこと。
その気持ちは非常に良くわかる。俺もエギ足一本で引っ掛かっていたアオリを強引に取り込んでバラシ、船長に怒られたもんなあ・・・。

さて、アオリだって相当に釣れないターゲットだけど、真鯛はその比じゃない。
そんな困難な相手をルアーで釣ろうってんだから、そりゃなかなか釣れる訳がない。
だからこそ釣れた暁には喜びも相当なものだろうな。
俺は俺の深紅のタイラバ・ロッドが弧を描く様を想像しただけで胸が高まるのだった。

この日のために閉店直前の上州屋に滑り込んで購入した24Lの大型クーラーとウロコ落としも、刺身と潮汁の為に用意した利尻昆布も使うことはなかった。
このまま釣らないで済ます訳にはいかない。

タイラバ編、つづく。