厄落とし釣行・・・3/15野毛屋

アオリで終わり、アオリで始まる。

30代最後の釣りがアオリイカだったのなら、40代最初の釣りもアオリイカにするべきではないだろか?


という(いささか強引な)訳で穏やかな春の陽気となった3月15日、俺とDDVセンパイは再び勇治船長のアオリ船に乗ることにした。

大宮に住むDDVの釣座を確保するというミッションをおびていた俺は開店直後の5時30分に野毛屋に到着したのだが、既に受付には行列が出来ており、更にアオリ船は先客が8人!
前の週に良型中心に豊漁だったこと、更に前日の土曜日は大シケで出船できなかったこともあり、多くのアングラーが集まったようだ。

左舷ミヨシ二番手に俺、三番手にDDVという我々の釣り座。総勢18名の釣り客を乗せて定刻の7時15分に出船した。

40分程かけてポイントに到着してみれば、風は殆ど無いものの前日の大シケの名残で多少のウネリが残っており、更に海水は白っぽく濁っていた。
これは厳しい釣りになりそうだな。そんな俺のネガティブ予想をあっさり覆したのはDDVだった。
最初のポイントに早々と見切りをつけ、やや房総半島寄りに移動した2流し目。船長の指示タナは20m程の浅場、やはりノッコミの大型狙いか?すると、
「キタ!」
「!」
声の主は俺の左隣のDDV。彼のロッドがしなっており、(ちなみにアオリ用タックルを持たないDDVがこの日持ち込んだのは15年以上前のモノだというバス用タックルだ!)手応えを感じつつリールを巻いてるじゃないか!しかも上がってきたのは本命のアオリ、サイズも悪くない!

開始僅か10分。船中第1号はアオリ釣り2回目、しかもバス用タックルで挑んだDDVだったのだ。

これは爆釣の予感!

しかしこの1杯は出合い頭系の(船長の言葉を借りれば“潮の流れにのっていない、横から食いついた”)イカだったようで、その後18人のアングラーがしゃくる18本のロッドは弧を描くことなく沈黙を続け、ただ時間だけが虚しく過ぎて行った。

船長も西へ東へ、南へ北へ、浅場へ深場へ、とにかく多彩なポイントをチョイスして攻めつづけるも、イカからのコンタクトはなく厳しい戦いが続く。

・・・。

そして何も起こらないまま2時間程が過ぎた。

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大型貨物船とニアミス。この後転覆しそうに船が揺れてビビった!

ポイントの移動中DDVが「これだけ水が濁ってたら、エギは何色がいいのかな?」と話しかけてきた。俺は釣り具屋の親父の受け売りで「濁り潮にはオレンジがいいらしいですよ。」と答える。「でもさっきからずっとオレンジ使ってるのに、全く釣れないっすけどね。」と自嘲気味に付け加えた。「じゃ俺もオレンジ使ってみよう。」とDDV。
この他愛も無い会話を何故に俺が克明に記憶しているのかと言えば、この後訪れる奇跡のせいに外ならない。
ポイントに到着し船長の指示タナにエギを落とし込み、しゃくり始めたその刹那、
“ズドンッ!”「乗ったああああああ!」
3.5mのロング・ロッドは根元からフルベンド、そしてリールのハンドルがやたらと重い!間違いなくアオリ、しかも良型だ!
「キタッ!」
なんか声が聞こえたような気がして隣を見ると、なんと!DDVも巻いているじゃないか!
こんなVERY DANDYいや、激渋の中でまさかまさかのダブル・ヒット!ミヨシのアングラーを飛び越えて俺とDDVに、船中を見渡しても俺とDDVだけにアオリが乗ったのだった!
キャプテン勇治の助手に取り込みを手伝ってもらい二人ともランディングに成功!

俺達の視線が交錯し、言葉以上に心の中で互いの健闘を称え合う。(なにしろ釣れないアオリ釣り、過度な感情表現は禁物だ。)
アオリの群れに船が突っ込めば、船中同時ヒットは珍しくもなんともない。しかし18人もの客がいる中、同じようなオレンジのエギを使ってた我々だけがアオリをキャッチするなんて、僥倖と言っても過言ではないのだろうか?
断続的に不幸に襲われていた前厄の我々、この瞬間厄落としができたと確信したのだった。

その後も渋い状況は続いた。
11時半頃、船がアオリの群れに突っ込み俺を含む4人が同時ヒット。

しかしこのプチ・フィーバー以外は誰も釣れない暗黒の忍耐フィッシングとなった。

「剣崎まで走ります!」横須賀、竹岡、大貫と攻め尽くした船長が12時半頃高らかにアナウンス。船は20分程フルスロットルで南下を続け、三浦半島の先端まで到達した。
この辺りの潮は一転して澄んでおり、小さなクラゲが沢山漂っている。
昨年12月に沖釣りデビューして三ヶ月。(まだたったの三ヶ月か!)冬の海しか知らない俺が初めて目にする春の海だ。

しかし遠路遥々やって来たにも関わらず、ここでも全く釣れない状況に変わりは無かった。

細かくポイントを移動するのだが、外道を含め誰も釣れない。

気分を変えてみようと、最近出番の無かったピンクのエギを使ってみる。するといきなり
“ズンッ!”「久々にキタ~~~~!」
しかしリールのハンドルがやけに軽い。姿を現したのは外道のヤリイカだった。
まあでも本命じゃなくても美味しくいただけるのがイカ釣りの良いところだ。

結局剣崎沖は1時間半程攻めたものの本命は型を見ず。

その後は午前中と同じような場所を攻めたもののイカの反応は極めて悪かった。

船長も俺が体験する最長の延長戦を敢行し4時半近くまで粘ったのだったが・・・
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夕日を浴びながら帰港する第一忠丸からの眺め。それにしても日が長くなったなー。

【釣果】
7時15分出船、16時30分沖上がり
アオリイカ2杯、ヤリイカ1杯
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【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1.5号、ハリス:フロロ6号


【ヒットルアー】
YO-ZURI バレンシア4.0
ヤマシタ キュウセン3.5
YO-ZURI マーブルサクラダイ4.0


【本日の総括】
最も有利な釣座のはずの左右両ミヨシのアングラーが共にボウズという異常なまでの渋さの中、共に2杯ずつのアオリを釣り上げた我々は大健闘したと言えよう。
しかしその後船宿に戻って知った驚愕の事実。本日の釣果は0~2杯の船中17杯。18人で17杯しか上がっていない上に、2杯ずつ釣った我々が揃って竿頭だったのだ!!!
ありがとう、キャプテン勇治!あなたのお陰で我々の厄払いは完了しました。

シーズン終盤戦、ノッコミの巨大アオリを求めて俺の野毛屋参詣は続く。

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DDVレシピ、塩刺身。アオリの甘みが強調されて非常に美味だった。