30代最後の釣行はアオリイカ狙い・・・3/1野毛屋

前回のあらすじ。40歳を目前に控えたDDVセンパイから誘われ、豪雨の開成フォレストスプリングスで決行したセンパイの30代ラスト釣行。しかしその夜の打ち上げの席上で酒に酔った我々は気が付けば次の日曜日の緊急アオリ釣行を決めていたのだった…。



天気曇り。降水確率20%。風なし。波の高さ50センチ。気象庁発表)

穏やかな釣り日和になるはずが、二人の前厄男を乗せたシナジー効果によるものか、ポイントに着いてみれば豪雨とウネリ。気象庁の予報すら軽く覆す厄年のツインパワーは、本当に恐ろしい。

左舷トモ二番手に俺、そして三番手にDDVという我々の釣座、これはある意味俺の狙い通り。何故なら左舷トモ三番手は操舵室の真横、この場所をDDVが押さえればキャプテン勇治のつきっきりのレクチャーが期待できるはず!(果たしてそのとおりになった)エギングは生まれて初めてだというDDV、これぞ脱ボウズへの近道だ!

この日も前回同様イカは右舷のトモから乗りはじめた。しかしどの流しも単発でなかなか続かない。

10時を過ぎても雨は一向に止むことなく降り続け、むしろ激しさを増しているような印象すら受ける。「?」俺は異変を感じた。そして「!!!」気が付けばいつの間にやら俺のジーンズとトレーナーがグショ濡れじゃないか!
上州屋で購入した俺の防寒レインウエア、防水能力が著しく低いことが判明!

ただでさえ寒いのに濡れた衣服が肌に触れると冷たい上に気持ち悪い。細かいながらも連続的なウネリも収まる事なく、そして勿論のこと釣れない。
『・・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・・・・・・。』
『ボクもうお家帰りたい!』
間違いなく我が沖釣り史上最悪のタフコンディションだ!雨が弱まるまでキャビンで休もうかしら?DDVセンパイも初めての船アオリだというのにとんでもない日に当たってしまったものよね。
しかしふと隣を見遣れば彼は休むことなく一心不乱に竿をしゃくり続けている。
まずい、誘った俺が先にギブアップするわけにはいかないじゃないか!俺は折れそうな心を、いや、本当は完全に折れてしまった心を隠匿し、一生懸命しゃくり続けた。すると・・・
“ズンッ!”「キタ~~~~~~~~~~!!!」
サイズは中くらいだが、本命のアオリが乗った!
そして次の流しでも・・・
“ズンッ!”「またキタ~~~~~~~~~!!!」
小振りだけど今度も本命、縁起でもないけれどこれで仮にDDVがボウズでもおすそ分けが可能な訳で、想定される最も悪い事態、すなわち“釣れない・食えない”は回避できた。

釣れたら本当に面白いこの釣り、ゲンキンなもので2杯釣ったら寒さも雨も全然気にならなくなってきた。これは何としてでもDDVセンパイに釣っていただかなくては!

しかし、
“ズンッ!”
またしてもしなったのは俺の竿。海面に姿を現したのはこれまた小振りながら本命のアオリだ!足1本にかろうじて針掛かりしている状態で、ここはタモを使って取り込むのがセオリーだが、イカのサイズが小さかったので、大丈夫だろうとタカをくくり一気に引っこ抜く。“ポトッ・・・”「あ・・・。」
・・・。
すると背後から「あ~あ、もったいねえ!」と船長の怒声が。「足一本だったら声かけてよ!前回も同じようにバラしたじゃないか!」いや~、そういわれてみればそうでした。しかしこの船長、本当に記憶力がいいなあ。

確かに残念なことをした。しかし続けざまに3杯乗ったことで気持ちに余裕ができた俺は内心『まあ、また釣ればいいさ』と鷹揚に構えていた。でもそう上手くはいかないのがアオリ釣りなのだということをこの後身をもって知ることとなる・・・。

潮が止まってしまったのか、その後船中で全く釣れなくなってしまった。

「おお、ひとりきたぞ!」
長い沈黙を破る船長のアナウンス。誰にきたのかと周りを見ると、「!」なんと隣でDDVが巻いているじゃないか!船宿で借りた彼の極太ロッドは、固すぎて殆どしなっていないけど、確かに何か乗ってる!そしてDDVの隣のアングラーも長竿を満月のようにしならせている!ダブル・ヒットだ、よし俺も!と元気にしゃくっていたら、「オマツリだ!」と船長の怒声。そして「ああ、バレた!」処理に手
間取っているウチに折角乗ったアオリがバレてしまったようだ。
長竿が綺麗な弧を描いていたので、てっきりDDVセンパイがオマツリしてしまったのかと思ったのだが、真相は逆でアオリが乗ったDDVのラインに隣のアングラーがオマツリしていたようだ。
う~~~~ん、残念!

しかし天は彼に味方する。

次の流しで船中が沈黙するなか、またしてもDDVにヒットしたのだ!

船長がタモで取り込み無事にランディング!なかなか良型のアオリじゃないですか!

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いや~、良かった。本当に良かった。
これで“無類のイカ好き”というDDVの奥さんに、旦那が仕留めたアオリイカを食べてもらえる。イカ好きであれば、新鮮なアオリの刺身が気に入らないわけがない!
奥さん喜ぶ→旦那の株上がる→イカ釣りが認められる→家庭円満→みんな幸せ
コレよ、コレ!

しかしキャプテン勇治の反応は違う。
「おかしいな、エギが嫌われてるぞ。」
嫌われてる?
「誰も釣れてないのに同じ人間に二度続けて乗るなんて有り得ない、エギが嫌われてるよ。」
なるほど。
「昨日も午前中は暗色のエギがよかったんだけど午後になったらサッパリでさ。そんな中オレンジ使ってたお客さん1人だけに連続で乗った時間帯があったんだよ。」
なるほど、なるほど。
「しばらく色んな色のエギ試してみなよ。」
ラジャー!

抜群の記憶力と絶妙なアドバイス、そして男気。そんなキャプテンの助言、従わない訳にはイカないぜ!

そして・・・


【釣果】
7時20分出船、15時半沖あがり
アオリイカ3杯!と言いたいところだが2杯


【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1.5号、ハリス:フロロ6号


【ヒットルアー】
ヤマシタ グリーン4.0


【本日の総括】
沖上がり定刻の3時を迎えた頃、無線で“上げ潮が流れ始めた”という情報をキャッチした船長、港方面に戻るどころが沖に向かって船を走らせ、果敢に攻め続けたのだが、とうとうこの日イカの活性があがることはなかった。
0~6杯、船中24杯。有利な釣座の左舷大トモのアングラーでさえボウズだった厳しい日和に二人とも本命を上げたのだから、とりあえず良しとしたい。
2回連続で雨に祟られた我々の釣行、次回こそは晴天の下で釣りを楽しみたいものだ。

帰宅後即イカを捌き、刺身、ゲソとエンペラの湯引き、そして即席の塩辛を作って酒と共にいただく。相変わらず美味い。
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ワンテンポ遅れてDDVからも料理の写真入りメールが届いた。
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料理が趣味のDDV、さすが美味しそうに盛り付けますなあ。
勿論味もバッチリだったとのこと。
ね!美味いでしょ?

昨年は4月半ばで終了したというアオリ船、シーズンもあと僅かだ。
男のロマン、また満喫しましょう。