我がイカ釣り人生最良の日・・・2/15野毛屋

金曜日の午後から吹き始めた春一番は土曜日の朝まで残り、風が止むと今度は季節外れの初夏のような陽気が訪れた。
そんなもの来なくてもいいのに、また本格的な春がやって来る。花粉との死闘、三十路との別れ、くせ毛の天敵・梅雨、猛暑、そして昆虫地獄・・・。秋と冬を愛する俺にとっては好ましくないシーズンがまたしても迫ってきやがった。

翌日曜日は風もなく穏やかに晴れるとの予報。去り行く冬の楽しみに、ここは友人(仮にA君)でも誘ってシーズン最後のカワハギ・フルコースを堪能しようかと思いたち早速誘いのメールを入れたのだが、彼は生憎とその日は休日出勤とのバッドニュースが。

そこで俺は考えた。

まだ傷の癒えぬイカ釣り。早いとこリベンジを果たし、悪いイメージを払拭してしまおう!、と。
まあ、返り討ちに逢う可能性も多分にある訳だが・・・。


この日は左舷10人、右舷9人の総勢19人と賑わっていたアオリ船、俺の釣座は左舷トモ3番手。決して有利とは言えない釣座に加え、沖に出てみれば前日までの暴風の影響でキツイ濁り潮。どうやら厳しい闘いになりそうだ。

とりあえず前回4杯のイカを乗せたオレンジのエギをチョイスして実釣開始!
前回船長からアドバイスされたようにしゃくり幅を小さくし、代わりにしゃくりの間隔を短くしてみる。
たったこれだけの変化なのだが慣れたリズムを変えるということは意外と難しく、穂先に道糸が絡むプチ・トラブルが頻発した。

この日も前回同様、イカは右舷トモから乗りはじめた。一方左舷は最初の数流しでミヨシ二番手で1杯乗っただけ。
釣りを始めて3~40分経った頃だろうか、操舵室から船長が出て来てこちらにやってくると、俺の肩に手を置き「俺だったらこの2本しか使わないぞ。ちょっとこれでやってみな。」と俺が無造作に並べていたエギの中から2本を掴みながらのたまう。それは地味な深緑色のエギとナチュラル・カラーのエギ、いずれも濁った潮の中では目立ちそうもないカラーだ。
俺は半信半疑で「え?これですか?」と聞くと、「今シーズンの東京湾は何故か暗色がアタリなんだよ。ピンクが定番っていうけど、俺は今年はピンクなんて1回も使ってないぞ。」更に続けて「この前スミイカばっかりだったろ?大体さあ、外道の乗りがいいエギに本命はなかなか乗らないんだよ。」更に更に「しかも周り見ろよ、みんなピンクとかオレンジ使ってるじゃないか。周りと全然違う色使った方がイカにアピールするんだって!」

う~む。前回俺の釣り上げた獲物を正確に覚えている記憶力といい迷いのないエギのセレクトといい非常に説得力がある。俺は「強いて選べばどっちがいいですかね?」と問う。すると、「外道含めて数釣り狙うならこっち、本命一本を狙うならこっちだ。」とこれまた全く迷いのない答えが返ってきた。そこで俺は船長曰く“本命一本”のダークグリーンのエギをセレクトした。

操舵室に戻った船長、「最近頑張ってるみたいだから、これからは一日に一個ずつコツを教えてやるよ!一気に色々言っても身につかないからな!まずは今日はエギの選び方ってことで!」と大声で追い撃ち。この瞬間から、“船頭と客”という関係から“師と弟子”という関係に変化したようで、以降キャプテン勇治の俺に対する言葉遣いが段々乱暴になってきたのだった・・・。


しかしその後信じられないことが起こった。

有利とされるトモやミヨシでも全くと言っていいほど釣れていない中、俺のエギだけにアオリが断続的に乗ってきたのだ!


そして・・・。


【釣果】
7時20分出船、16時沖あがり
アオリイカ5杯、マルイカ1杯


【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1.5号、ハリス:フロロ6号


【ヒットルアー】
ヤマシタ グリーン4.0


【本日の総括】
信じられないことに午前中だけで実に4杯ものアオリを釣り上げ、しかも船長の言う通り外道はなし!数もさることながら乗ったイカ全てが本命のアオリだったのだ!

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一日通して同じエギを使い続け、午後は乗り渋ったものの、最終的にアオリイカ5杯にマルイカ1杯。前々日にトラウトですら6尾しか釣れなかった俺が、こんなに釣っちゃうなんて!
帰宅してからHPでこの日の釣果を確認すると0~6杯の船中41杯。俺は竿頭と1杯差の好釣果だったのだ。

沖上がりして港に戻る途中、「今日は良かったなあ。面白かったろ?」と船長。
俺も素直に、自分の釣果に驚いたし非常に勉強になったと感謝の意を述べた。
そして時間帯によるエギの選び方について軽くレクチャーを受け、早くも次の釣行が楽しみになった。

獲物は実家と友人(仮にA君)におすそ分けし、俺は1kgをゆうに超す大物1杯だけを持ち帰り。大きな冊が4本も取れたので3/4は冷凍にした。魚だと種類によっては大型化すると味が淡白というかボンヤリしちゃったりすることがあるけれど、アオリイカは大型化すると更に肉厚で食感もよく、甘味があって非常に美味!
初めてアオリを捌いたという友人(仮にA君)からもその美味さを称賛するメールが届いたし、俺もいろんなメニューにチャレンジしてみたくなってきた。

車をぶつけ、タックルを忘れ、悪いイメージが残っていたエギングも今日で全て払拭!
春のノッコミに向かって更に大型化するというアオリを狙って、どんどん通っちゃおう!