豹変…5/23KFC in 鹿島槍ガーデン

金曜朝5時50分。まだ通勤ラッシュの始まらぬ人もまばらな都内JR某駅前で俺はある人の到着を待っていた。待ち人は元会社の先輩であるDDV氏。1月のレイクウッド以来となる久々の釣行である。

環八をひたすら北上し甲州街道を左折。調布インターから中央道に乗る。先月も通ったこのルート、そう、目指すは彼の地だ!

鹿島槍ガーデンの魅力にとりつかれた俺にとっては極めて真っ当で当然なことなのだが、一般的に片道270キロを越す長い道程を経てわざわざ釣り堀へ行くという行為は愚行と思われても致し方ない事なのかもしれない。(余談だが大町の温泉旅館で“釣りに来た”というと客も従業員も10人中9人までは渓流釣りを想像する。そして俺が管釣り=釣堀に来たと言うと皆一様に微妙な反応を示すのだ!)元々バス釣をやっていたというDDV氏は俺より釣りに造詣が深いのだが、管釣りに関してはまだビギナー。聞けば前日は深夜まで仕事だったそうだが、それにも構わず4時台の始発列車に乗ってもらうというスパルタ企画。もしかしたら管釣り嫌いになってしまうかもしれないし、俺が呆れられるというリスクもあるわけだが、とにかく1尾でも鹿島槍の巨大トラウトを釣ってさえくれれば何故ここが特別な場所なのか、必ずや理解してもらえるはずだ!

途中PAで食事休憩を挟みつつまったり走って鹿島槍に到着したのは10時。タックルをセットして受付を済ませ、2号池のストリーム側アウトレット付近に並んで釣座を構えた。
ここは前回大爆釣を演じたゲンの良いポイント、今回も釣りまくろうと気合を入れて臨んだのだが…。

……。
…………。

『つ、釣れない…(冷汗)。』
周りのアングラーを見渡しても釣れている気配はまるでなく、あろうことかフライ・フィッシャーまでが苦戦を強いられている低活性!“前回は2日で60尾”とか、“ヤバイ魚がガンガン釣れる”などとDDV氏に喧伝しまくって俺の立場もヤバイじゃないか!
見えてる魚はルアーにまったく反応しない。かといって深いタナを攻めるとルアーは藻の餌食となり全く泳がない。これは正に鹿島槍で苦戦するときの典型的パターンだ。

時計の針が11時を指した頃待望のファースト・フィッシュ!“きたッ!”と声を上げてDDV氏にアピール。“とりあえず苦戦はしているがひとたび掛かればこんなにデカイ魚が釣れちゃうんだぜ”と彼に見せつけてモチベーションを高めようと思ったのだが…
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小せえええ~~~!余りにも小さ過ぎるぞ!
よりによって“苦労の末に極小ブラウン釣り上げた様”を見せつける結果となってしまい、更に悪化する俺の立場。

2尾目はサイズアップに成功。
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そして3尾目にようやく鹿島槍らしいサイズをキャッチ。
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どうも4gスプーンで藻に干渉されないギリギリの中層をリトリーブするのが良いようだ。
とはいってもガンガン喰ってくるようなアタリは皆無で、たまのアタリもショート・バイト。なかなかタフな釣りが続く。

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4尾目にしてようやくニジマスをゲット。尾びれが若干欠損していたが、それでもブラウンに比べると引きは強烈だ!

一方DDV氏はというと、2回掛けて連続ライン・ブレイクした模様。
鹿島槍の魚の引きが強烈とはいえ、いくらなんでもおかしい。気になってリールのドラグを調べてみると、なんとガチガチに固いセッティングになったいた!これではひとたまりもなくラインブレイクするのも頷ける。バスの経験豊富なDDV氏なので特にセッティングに口を挟むまでもないと思っていたのだが、聞けばバス釣りではベイト・リールを使うからスピニングには慣れていないとのこと。適正なドラグ調整を施しタックルを戻したが、“逃がした魚はデカイ”というか、今日のタフコンでは1回のヒットが非常に貴重なわけで、俺としても悔やまれるところではある。

スプーンに煮詰まってプラグを試す。DR系は藻との鎖が絡まり使い物にならない為MRとSRのクランクとトップ・ウォーターを順番に試す。が、なかなか良い反応は得られない。
シケイダーのホットケに次々とバイトがあって視覚的に圧巻だったのだが何故か全くフッキングせずノー・キャッチ。
あっさりプラグでも煮詰まり、“全体的に渋いから”という理由で使わないでいたへのじファイター(ゴーストピンク)を最後にダメモトで試してみることに。すると1投目から激しい魚のチェイスが見られた!意外や意外、これがアタリ・ルアーなの?
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なんとスレまくっているはずのアルビノが…
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次いでブラウンが連続ヒット!

考えながら釣ることも大事だが、思い込みも良くないということを改めて実感した。
しかし派手な色に派手なアクションのこのルアー、やはり魚がスレるのも早くてその後は全く機能せず。

突如「キタアアア!」と織田裕二の声が聞こえたような気がして右を見やると、DDV氏の竿に生体反応が!残念ながら俺の1尾目と同サイズの極小ブラウンではあったが、兎にも角にもボウズを脱出してくれて俺も一安心。あとはデカイの頼みますよ!

さてさて、その後放流がある訳でもなくペレット・タイムがある訳でもなく、天変地異もなく戦争もなく民度の低いアングラーに悩まされるでもなく神のお告げも無く衆議院の解散も無く、ただひたすらに渋くまったりとした時間が流れていった。

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別に狙っている訳ではないのだが、丁度30分に1尾のペースで釣れる。(もしくは30分に1尾しか釣れないと言うべきか?)1尾を除き特に小さいという魚ではないが、大物を追い求めて遠路はるばるやって来ている俺にはやはり物足りないと言わざるを得ない。

16:47に釣り上げたこのニジマスが今日の俺の最後の獲物となった。
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この日DDV's Rodもその後しなることはなく、なんとなく気まずい思いを胸に鹿島槍ガーデンを後にしたのだった。

【釣果】
10:15~17:00
11尾(ニジマス3、ブラウン7、アルビノ1)


【タックル】
ロッド:レスターファイン X-STREAM 63SUL
リール:05TWIN POWER 1000PGS
ライン:GT-Rトラウト・ゴールド 4lb


【ヒット・ルアー】
オリエン4g(消ブラウン、消マホガン、消マスタード、消人肌、消ブラック)、BUX3.0(マジョーラ)、へのじファイター、ミニシケイダー

【本日の総括】
期待すると裏切られる。これもまた鹿島槍ガーデンの特徴のひとつだ。
翌日の天気予報は朝から雨。これが恵みの雨となってくれることを祈るばかりだ。

釣りを終えた俺達はコンビニで酒を買い込み、最近俺が(その微妙さ加減と安い料金設定とホスピタリティに心奪われ)常宿にしている大町温泉の某旅館にチェックイン。温泉旅館にしては微妙な風呂にのんびり入り、味は微妙だが量は文句なしにパンチの効いた夕食に舌鼓をうち、その後はビールとワインを流し込みながら昔話に花を咲かせる。
トータルでやはり釣りは男のロマンだ!
翌日に備え早く寝るのが得策なのはわかっているが、俺達は日付が変わるまで飲み続ける。
それは純粋に飲むことが楽しいこともあるが、真の目的は仕事を終えてから8時丁度のスーパーあずさに乗ってやってくるfIVE(会社の同僚にして我がバンドのリード・ギタリスト)を起きて待つ為だ。


明日は3人で爆釣大会といきたいところだが…。