刺激的な話~完結編

それはまだ本格的春の訪れまでもう少しといった頃のことだが、以前の記事で触れた若手編集者H君の男気溢れる行動に打たれた俺は、決断を迫られていた。

悩んでいた。実に悩んでいた。
それはオートマ限定免許しか持たぬペーパー・ドライバーが初めての車にポルシェ911を選ぶような不適切かつ冒涜的行為ではないかとすら思えた。

でも俺はイッテシマッタ。思い切ってカードを切ってしまった。

このようにして1979年製のスティングレイが俺の家にやってきた。
家人には勿論“中古のベース”としか告げていない。(嘘はついてないぞ!)

本日そんなベースを携えバンド練習の為にスタジオに向かったのだが…。
ギタリスト二人もニュー・ギター(通称:男のイッポン)を購入してスタジオに臨むとのことで、最高のアンサンブルを奏でようと気合も入っていたのだが…。

家に帰り、本日のスタジオにて録音した楽曲群を聴いていたら、己の余りの下手糞さ加減に胸糞が悪くなった。いや、音は良い。楽器のの持つポテンシャルをフルに発揮できるようなセッティングを出来ていないにも関わらず(これも試行錯誤だ)、ロウとミドルが実に良い感じで出ている。音がデカ過ぎたのはご愛嬌としてもね…。しかし、良い音でみすぼらしい演奏って、本当にみっともないっ!!!“音はイマイチだけど演奏はいい”って方が遥かにカッコイイよな。

そんな訳で己の首を絞めた感も若干あるが、俺はもっと上手くならねばならぬ事態に陥った。
さ、こんな駄文書きに貴重な時間を費やしていないで練習、練習!