民度について考える(その2)…9/3鹿島槍ガーデン

多くのエリア・アングラーにとって特別な思いのある場所であろう鹿島槍ガーデン。俺にとっても友人(仮にA君)にとってもそれは同じ。ここでの二人揃っての釣行は約5ヶ月ぶり通算5回目となる聖地再訪だ。



近隣の大町温泉の宿を6時半に出発、オープン前の6:45に現地に到着。釣りを優先し朝食をパスした俺たちの為に、旅館が持たせてくれた特大のおにぎりを車中で頬張る。昨日のストレスを解消する為にもこの広大な鹿島槍ガーデンで思う存分フルキャストして自分の釣りを存分に堪能するぞ!
月曜日ということもあり、先行車(者)は車5台、人数にして10人程か。この広さでこの人数、ポイントは選び放題だ!おにぎりを食べ終え(とんでもなくデカイおにぎりが2個。気持ち悪いくらい満腹)タックルをセットしていると、アレ?次々と車が入ってきた。なんと総勢20名をゆうに越すご一行様が到着。(男女半々年齢バラバラ服装バラバラ一体どういう繋がりのグループなのか皆目検討つかず)想定外の出来事ではあったが、『団体が来たとは言え、広大な鹿島槍ガーデン。まさかポイントに困る事などあるまいよ』とこの時点ではたかをくくっていた。しかし…。

受付を済ませ、2号池のストリーム側アウトレットを二人で挟み込むように釣座を構えた。鹿島槍における俺等のメイン・ステージだ。
俺がセッティングに手間取っている間に友人(仮にA君)のロッドがいきなり凄い角度にしなっている!おっ、活性は高いのか?派手なドラグ音、長いファイト、これぞ鹿島槍。なんと2投目で良型をキャッチ!「よしっ、俺も!」とすぐさまキャスト!さあ、旺盛な食欲と強烈な引きで俺を困らせてくれよ!
俺「……。」
友人(仮にA君)「……。」
あれ?どうも先程の一撃は出会い頭の衝突事故だったみたいでお互い長い沈黙に入ってしまった。
でも4gスプーンをフルキャストしても対岸には全く届かないこの広さ。やはり気分がいい。

なにやら左側が騒がしいのでふと見ると、先程の団体さんが20人以上連なってトイレ~管理等前の1辺で仲良く並んでキャスティング。『おいおい、こんな広い場所なんだからめいめい好きな位置で釣れば良いのに』彼らのこの集団心理が俺達をこの後追い詰めていくことに。

広さを充分に堪能する為に4gのスプーンだけでローテーション。オリエン4gパール・ホワイトをチョイスして数投目、ラインが張った!本日初めての明確なアタリだ!ここの魚は大きくてもアタリが小さいんだよな~、と思いながら巻いていたら・・・
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ホントに小さい。槍史上最小のニジマスをキャッチ。

この直後俺達の左側の辺を独占していた団体が民族移動、俺達を取り囲みやがった。広大な鹿島槍で窮屈なキャストを余儀なくされる。これじゃ昨日の二の舞じゃないか!みすみすポイントを明渡すのは口惜しかったが、人が少ない所での釣りを楽しみたかったので無人のストリーム・エリアへ移動。流れの上流から下流へ向けNOA2.6サンスイ・オリカラをキャスト。すると・・・・・・
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アルビノ連発!

ここなら何匹でも釣れるような気がしたが、やはりフルキャストしたい。ふとポンドを見渡すと流れ込みが空いた!で、足早に移動。
流れがある為かこの周りには藻があまり生えておらず、深めのレンジも攻められていい感じ。しかしルアーへの反応は鈍い。
サイズ、形、色、レンジ、スプーンで考え得る全てのローテを行うも釣れない。気分を変えてミノーをキャスト。中層をトゥイッチングで攻めるとコツコツとアタリが…ガツン!食いました。おお、なかなか良い型のブラウンだ!と思ったらジャンプ一発バレた!タナは深めと見て中層以下を泳ぐクランクを色々試すことに。徐々にレンジを下げボトム・クラピーをチョイス。すると1投目でガン!待望のヒット!やはり槍の魚は引く!しかしあえなくライン・ブレイク……。昨日からやけにブレイクが多いな~、俺。意気消沈しながらも攻め方は間違っていなかったと気を取り直し深層を泳ぐへのじファイターMDピンクをチョイス。するとこれも1投目でヒット!
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更に僅か4分後、ブラウン連発!
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全体的に渋い中、俺が連発したのを見逃さなかったのか、例の団体の中から3名が俺のすぐ真横に移動してきやがった。オイオイ、隣の男と俺の距離僅か1.5メートル。ここは王禅寺か?イライラし始めた途端またまたヒットで3連発!しかしここで俄かに信じ難い事態が。鹿島槍のトラウトに特に顕著な特徴なのだが、ルアーに掛かってもがく魚に他の魚が群がってくる習性がある。で、その俺が掛けた魚に群がる魚達に向かって俺の左1.5メートルに接近してきた野郎がルアーをキャストしやがった!バカヤロウ、普通すぐ隣のアングラーが魚掛けたらルアーをピック・アップするのがマナーじゃねえのか?それをキャストしてくるなんてラインが絡んだらどうすんだよ!?しかもそいつ、俺のヒット・ルアーを真似してピンクのクランクを付けていやがる!なんと下劣な男だ!体が震えるほど怒りが沸いたが何とかランディングに成功。
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俺は自分のキャストを止めそいつをマジマジと見つめるが、チラリとこちらを見ただけで涼しい顔でピンクのクランクを投げ続けている。決めた。俺はこの場所を絶対に譲らない!しかもお前が真似したクランクももう使わないぞ!
レンジは絞り込めた。BUX3.0オオツカ・オリカラをチョイス。丁寧にボトム付近を何度もトレースしていると…
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怒りの収まらない俺を強烈な引きで癒してくれたレインボー。

結局隣の男はその後も色々試していたようだが、全く魚が掛かることは無く立ち去って行った。勝った!
しかし同じ団体の中の他のメンバーが入れ替わり立ち代り入ってくる。そしてついに俺は左右をその団体の女性アングラーに囲まれる形に…。で、俺が釣れた状況を見ていたのか、左右の女性両方とも俺が真っ直ぐ投げているリトリーブ・コースに被せるようにクロス気味に投げてくる!テメエら女だからって何でも許されると思ってないか?ほら、案の定左のおばさん(と言っても俺より年下か?)のラインが絡んだよ!「すいませ~ん。」「……。」俺は無言でリールを巻く。処理しようとルアーをピック・アップすると、ゲッ、セコ・ルアーの代名詞Xスティックだ!意外に複雑に絡まったようで苦労する。「ライン切りましょうか?切った方が良いですか?」「……。」俺は無言で絡んだラインを解く。外れた~。“次掛けたら許さないぜ光線”を放ちつつおばさんのルアーを水面に投げつける。すると間髪入れず今度は右のネエチャンが思いっきり俺のリトリーブ・コースにクロス・キャストしてきてミノーが俺のラインに絡んだ。思わず舌打ちしてネエチャンの方を一瞥すると…アレ?お前逆ギレかよ?自分のキャストが俺のラインをまたいだというのに謝りもせず憮然としてるよ、この人…。一体どういう神経してるんだ?

そうこうしている内に奴等の昼食時間となったようで全員が立ち去って行った。するとポンドは人もまばらに…。
で、空いた俺の脇に朝一からアウトレットで粘っていた友人(仮にA君)がやって来た。聞けば自分のポイントを奴らに荒らされたので意地でも明け渡すまいと決めていたとの事。わかる!わかるよ、その気持ち!

空いたポンドで気分良くファイトを楽しんだレインボー。
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封印解いてへのじファイターでもう一丁!クランクで釣れるのはブラウンばかりだ。
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およそ1時間程でメシを終えた奴等が戻ってくるが、俺達の側に寄ってくるものはいない。

BUXサンスイ・オリカラでキャッチ!
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同じルアーでさらに1匹!みんな強烈な引きでやっと心の底から楽しむ事ができた。
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さすがにノドも乾いたし小便もしたいしでタックル一式をその場に置いてトイレ&自販機へ。友人(仮にA君)の分もお茶を買って自分の釣座へ戻ると…アレ?さっきスティックを掛けてきたおばさんが俺のタックルがある場所でキャストしている。俺が不在の間にちょっと入る位まあいいかと俺もワレットを再装着しロッドを握ると…アレレ?どいてくれるかと思ったらまたキャストしちゃったよ。俺は場所取りをしていたのでは無く、ずっとここに釣座を構え、今トイレに行ってた間だけタックルを置いてただけなんですが?怒るというよりも呆然として1メートルも離れていない場所にいるおばさんをジーっと見てしまった。そうまでして釣りたいの?それとも極端な近視であんたの足元にある俺のタックルが見えていなかったのかな?

空気を読んでか、程無くおばさんは立ち去って行った。そしてその後俺達の直ぐ近くには誰も寄って来なくなった。
彼等から見たら、俺達が邪魔者なんだろうな、きっと…。

やりきれない気持ちを魚に癒してもらおうと今日一番の当りルアー、へのじファイターMDを投げる。すると、
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鹿島槍名物の鼻曲がりブラウン。あまりにも強烈な引きで先程までの暗い気分を忘れニンマリしてしまった。

またまたBUXサンスイ・オリカラがGOOD JOB!
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時刻は4時半。締め鱒釣って帰るかな~、と思った矢先にまたまたBUXでヒット!サイズは小さいがランディング後も大暴れの暴走系ブラウン。やばい、体にラインが巻きついている!止む無くロッドを地面に置き救出にかかると、そいつが再び暴れだしネットから落ちた!うわ、沖に向かって泳ぎ出したよと思ったら“ズズズ”と音が聞こえ俺のロッドが水中に引き込まれた!「!!!」手を伸ばすも微妙に届かない。友人(仮にA君)のネットを借り、自分のネットも合わせて挟み込みかろうじて救出成功!危なかった~。ロッドを持つとまだ魚が掛かっていた。
で、犯人はコイツ。
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オチもついたしこれで締めよう!と納竿とした。。。って、大丈夫か、俺のツインパワーは?


【釣果】
7:00~16:40
14匹(ニジマス5匹、アルビノ2匹、ブラウン7匹)



【タックル】
ロッド:レスターファイン X-STREAM 63SUL
リール:05TWIN POWER 1000PGS
ライン:GT-Rシャンパン・ゴールド 3.5lb



【ヒット・ルアー】
オリエン4.0(パールホワイト)、NOA2.6(サンスイ・オリカラ)、BUX2.5(サンスイ・オリカラ)、BUX3.0(オオツカ・オリカラ)、へのじファイターMD



【ロスト・ルアー】
ディープクラピー



【本日の総括】
しばらく放流を行っていない上、予想以上の人的プレッシャーがかかり状況としては渋かった。でも掛かればデカイし引きも強い。何より巨大なポンドで大遠投する気持ちの良さは何物にもかえがたい。俺にとっては最高の釣り場であることは間違い無いんだが…。
しかし不思議な集団だったな。正確に数えてないけど25人~30人はいたか?全員がレンタルでなく自分のタックルを持っているように見受けられたし、キャスティングも上手かったから初心者でないことは明らかだ。どこでどういう釣りをしていればこんなマナーが悪い集団が出来上がるのだろう?
満足したとはとても言い難い聖地再訪となった。近い内にまた行くしかない!