ラスト・ラン…3/8白河フォレストスプリングス

友人(仮にA君)が今月中に車を手放す決意をしたという。
ハッキリ言って、これは事件だ。

友人(仮にA君)がダブル・シェブロンのフロント・グリルが目映いそのステーション・ワゴンを購入したのは今を遡ること約6年前。俺も試乗に付き合い、契約の場にも立ち会った思い出の1台だ。
友人(仮にA君)は購入して程無くその車にスタッドレスを履かせ、俺達は下手の横好き、趣味とすら言えない暇つぶしでスキー場へ通った。曲がれて止まれるがそれ以上に進めないお互いのスキーの技術、飽きるのは時間の問題だった。
しかしその後ハマッタ管釣り。初春の鹿島槍・晩秋の鹿島槍、路面凍結の恐れのある聖地巡礼の際にはこのフランス車が大いに活躍した。

そんな思い出深い車で最後に長距離ドライブをしたい!
友人(仮にA君)にラスト・ラン釣行を申し出る。しかし彼からは「じゃあ開成かすそのに行く?」
そんな弱気な友人(仮にA君)見たくないっす!イソップを叱咤する松村雄基のような心境になり、俺は鹿島槍か白河への釣行を猛烈かつ強硬に提案。

かくして緊急白河釣行が決行された。

ええっと、行きの車。東北道の蓮田SAでかりそめの夕食を済ませた後、俺が運転を担当した。
路面状況がダイレクトに伝わるようなステアリングのフィーリング、安定した直進能力、慣れが必要なブレーキペダルの感触と効き方、そして油圧サスがもたらす走行距離が7万キロを超えたとは思えない独特の滑らかな乗り心地…。
癖が強いが最高じゃないか!
結婚して今の車に乗り換える以前は俺も3台続けてフランス車を購入した元ラテン車フリーク。(ちなみに結婚には数多くの引き受けねばならない暗い面がある。自分が欲しい車を自分の一存で買うことができないという事も間違いなくそのひとつだ。)懐かしいなあ、この運転感覚。こういう強烈な個性って、国産車ではまずお目にかかれないのではないかと思う。
車検はあと一年残ってるというし、考え直さない?売却。

さて、肝心の釣りはと言うと決して満足できるものではなかった。
ロケーション、設備、食事に関しては非の打ち所がない白河。しかし最大の短所はとにかく釣れないことだ!しかし渋いものの掛かれば強烈な引きを味わえ、更に時折とんでもない大型魚にもお目にかかれる。だから渋かろうがマナーの悪い客が多かろうが場内アナウンスが噛みまくろうが、ついつい通ってしまうのである。
そんな白河で10匹釣ったんだから数の面では上々と言えるだろう。しかし!
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こんな小マスどもを釣る為に遠路遥々福島まで来たんじゃねえんだよ!
前週の開成で存分に味わった強烈な引き味の余韻が両腕に残っていた為余計に不満を感じたのかもしれない。3月とはいえ朝方はガイドが凍結する程の寒さ、一日を通して釣れたタナはベタ底~中層、東北最南端とはいえみちのくの福島県に本格的な春が訪れるのはもう少し先なのだろう。
リベンジは来月だな!

【釣果】
7:00~16:30
10匹(ニジマス8、ブラウン1、ヤマメ1)

【ヒットルアー】
COMP2.3(DOM)、NOA2.6(サンスイ・オリカラ)、ALF2.7(黒)、オリエン4g(蛍光ピンク、消マホガン、消オレンジ、RG)

【タックル】
ロッド:TAPER&SHAPE GAAS-66XULT
リール:TWINPOWER 1000PGS
ライン:GT-Rトラウト・ゴールド 3.5lb

【本日の総括】
小マスばかりで引きを楽しめなかった上に、心底不快な出来事も。
14時頃だったか、1stポンドの流れ込み付近が空いたのですかさず入った。既に散々叩かれていた為一級ポイントとはいえ魚の反応は悪い。タナや速度を変えながら丁寧に探っていると、まるで林檎のような紅く豊満な両頬を持つ「漫画に出てくるようなステレオタイプの東北の少年」といった風貌の若者が俺の真後ろに荷を下ろし、タックルの準備を始めた。『なんだなんだ!?』と思っていたら、その左門豊作は俺のすぐ左脇に挨拶もなく入り込み、俺のキャスティングコースに被せるようにキャスト、信じがたい釣りを開始したのだ!唖然とする俺にお構いなしに自分勝手な釣りを展開する豊作。『俺ってそんなに存在感ないのかな・・・』って、そんな問題じゃねえ!
何投かしてたらヨミ通りに俺のラインをクロスする奴のルアー。そしてヨミ通りに絡まるライン。更にヨミ通りに魚が掛かったと思い満面に笑みを浮かべてリールを巻く左門豊作似の東北の少年。そしてヨミ以上に複雑に絡まっていたライン…。
「・・・・・・。」
無言で若者に処理を任せる俺。苦労の末に解けたラインを回収してみれば、少年の歓喜の鬼巻きがもたらした致命的なキズが…。
ハァ~。深い溜息とともに豊作君を見遣ると、「大丈夫ですか~?」「大丈夫ですかじゃねえよ!こんな狭い所に入ってきてクロスキャストしたらオマツリするに決まってるだろうが!」と心の中で悪態をついたつもりだったのだが、アレ?声に出して読みたい日本語では決してないのだが、俺声に出してましたよ、無意識に…。大人気ない自分の言葉に恥ずかしくなる。
しかし左門氏は困惑したように曖昧な笑みを浮かべただけで、また同じ場所でキャスティングを再開。きっと彼に悪気はないのだろう。これを民度の違いと呼ばずして何と言おう?

そう、そしておよそ10ヵ月も前に全面禁煙ルールが施行されたにも関わらず、依然咥え煙草で釣りをする輩もチラホラ。ルール無視だが法を犯しているわけでわない彼等にも悪気はないのかもしれない。

こうして書いていても愛憎入り交じる白河への想い。
せめて1匹だけでもデカイの上げてれば随分印象も違ったんだろうけどなあ…。
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(全く普通サイズの本日の最大魚)

次回は友人(仮にA君)の新車のファースト・ランで行くことになったりして…。ね?