愚行・・・自家製麺伊藤(赤羽)

この度の組織改訂並びに人事異動で物理的にも仕事上の接点という意味でもかなり遠く離れることとなったサマーな後輩(仮名)とお別れ会的なサシ飲み。
今後は恐らく私と淡麗系ラーメンとの距離も遠くなることだろう。

我々が愛して止まない東十条の埼玉屋が一次会会場だ。

並びを覚悟で出掛けた訳だが、店の前に人の気配はない。あれ?もう暖簾仕舞っちゃったのかな?と不安になってドアを開けると、珍しく店内には空席多数。
この日朝から盛んに喧伝していた雪予報に恐れをなしたか?

大将のご機嫌なトークはいつも通り、レモンサワーが異様に旨いのもいつも通り、いつもと違ったのは客が少ないからか遅めの時間にも関わらず食材が豊富にあったようで大将が色々と勧めてくる。
勿論何を頼んでも旨いに違いないので我々もどんどんお願いする。
結果、はち切れんばかりの満腹感でご馳走さま。

近隣のダイニングバーに河岸を移し、しかし何も食えないのでビールやらサワーやらハイボールをチビチビやっているときに、
「ここまで来たら締めにラーメン行きましょうよ!」とサマーな後輩(仮名)から悪魔の提案が。
何をもって「ここまで来たら」なのかさっぱりと理解出来なかったし、私以上に満腹をもて余してフーフー言っていたくせに何故こんな発想が?
しかし、締めラーメンにノーと言うことは沽券に関わる問題でもある。

我々は京浜東北線に乗り一駅北上して赤羽に降り立った。
東十条から赤羽に向かうことは、私の家とは正反対に進むことを意味するのだが、男の子はそんな細かいことを気にしてはいけない。

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並びなし。
伊藤にも空席がありました。
雪予報とは我々のようなハードボイルド・モツ焼きラーメン・ラバーには、歓迎すべきものなのかもしれない。

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シンプルな伊藤のラーメンなら、締めラーに宿命的につきまとう背徳感も薄めだ。

ちょっと塩分濃度が高いけど、濃厚芳醇な煮干スープにパツパツのストレート麺の組合せは悪くない。

腹は確かに一杯だ。
しかし辛そうな素振りは見せず一気に啜るのがラーメンの美学だ。

我々は阿吽の呼吸で食べ終えると店を出た。

私には今日、伝えたいことが幾つかあった。
上手く言葉に出来たかどうかは分からない。
しかし私という極めて限定的な人間に言語化出来ることなんて、極めて限定的なのだという諦念を受け入れてこそ、真のコミュニケーションが成立するというものだ。

縁があればまた道は交わるだろう。