ベトナム放浪記~slip, fall down, tear(4/30)

前夜、ホテルでトレッキングツアーを申し込んだ。

9時半にホテルにモン族の女性ガイドがピックアップに現れてツアー開始。
欧米人9人(4カップル+一人旅英国人♀)、日本人は私の他に一人旅の女性がいて2人の総勢11人からなる多国籍軍である。

宿から坂道を少し下っただけで、棚田が連なるモン族居住地に突入。
てっきり相当に歩いて郊外に行ってからトレッキングが始まるものと思っていたので、この近さは肩透かしのようだ。
前日の雨で非舗装の道は所々泥濘と化している。
私はある種の予感めいた不安を抱えていた。
それは、この旅のために先日購入したトレッキングシューズである。
前日に雨上がりのサパの町を歩いている時に、下り坂でスリップして危うく転倒するところだった。
果たしてグリップ力は大丈夫なのか?、と。

はい、前フリ終了。
ビレッジ入り口の岩と石ころが入り乱れる下り坂で、濡れた岩の上で足を滑らせ見事に転倒した。いきなりの惨事である。
長年サンダルを愛用しており、信頼していたので特に疑問も持たず購入したKEEN社製のトレッキングシューズ、乾いた路面ではバッチリなのだが、濡れた場所ではとにかく滑る。
この後私は何度も何度も何度も何度も足を滑らせ、転倒はもう一回、更に有刺鉄線を跨ぐときにも足を滑らせてしまい有刺鉄線に引っ掛かり、短パンが裂けるという惨事にも見舞われた。
最早世界の笑い者である。

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とは言え、まるで竹下通りの様相を呈していた前日のカットカット村とは異なり、ガイドがいなければとても到達出来ないような村の奥は最高である。

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観光客ズレしているところがあるとは言え、山岳民族の暮らしを間近に垣間見ることが出来るのは私にとって貴重な体験だ。

ガイドに尋ねると、この当たりに住む山岳民族は5部族。それぞれが異なる独自の言語を使うが、村にある小学校での教育は全てベトナム語で行われる為、全員バイリンガルなのだそうだ。
ところで中国にもモン族って住んでるよね?モン族同士なら言葉が通じるのだろうか。
これまた聞いてみると、多少イントネーションが異なるけど問題なく通じるそうだ。それは日本も同じだよ、むしろ北国の方言は全然理解できないよ、と言うと、柔らかく笑うガイドさん。

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脚に巻いた民族衣装を巻き直す件のガイドさん。

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バリ島の棚田も見事なものだったけど、スケールという観点ではサパの方が凄い。なんというか、こちらの方が高低差が大きく、モロに山を切り開いて開墾したような感じなのだ。

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七面鳥もいます。

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水牛もいます。

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おばあさんもいます。

9時半に出発したツアーは3時近くに終了、それから車に乗り込みサパの中心地に戻ったのは3時半頃であった。
昼食つきでUS18ドル、ほぼ歩くだけにしては安くも無いのだけど、とても良いツアーだった。転んだり短パンが破けたりしなければ、更に良いツアーだっただろう。

ホテルに戻ってシャワーを浴び、ビールを飲んで人心地付くと猛烈な疲労感に教われた。
スマホの万歩計アプリでは歩数は20000を超えている。平地を歩くだけでも結構な運動量だが、泥濘の山道を歩くので変なところにも力が入っていたし、アップダウンも激しかったし、オマケに滑ったり転んだり短パン破けたり、そりゃ疲れるよな。

夕食はツアーで一緒になった一人旅日本人女性と一緒に郷土料理レストランへ。
私同様、休みが出来るとあちこちひとりで出掛けているそうで、なかなか面白い話が聞けた。旅は情報でもある。
困ったぁ、今後の予定に入っていないスリランカに、猛烈に行きたくなってしまった。
そう言えば海外一人旅で外国人と食事に出掛けたことはあるが、日本人と一緒に食事するのは初めてだな。(カンボジアでラリった日本人のガキに付きまとわれたことはある)

1時間半ほどで切り上げてお別れ(縁があればまた世界の何処かで!)、ビールを買ってホテルへ。
疲れすぎていると活字を追う気もせず、テレビのニュースも全く耳に入らず、だらだらビールを飲んで10時過ぎには寝てしまった。

明日は本当の郊外へと出掛ける予定。