賢いスコータイ小旅行の為の備忘録

吹けば飛ぶようなささやかな存在である私が、人様のお役に立つような記事を書くというような思い上がりや、あわよくば私の記事が誰かの助けになれば、などという殊勝な心掛けというものなど一切持ち合わせてはいないのである。

これはあくまでも備忘録、そう、ささやかな存在である私が再びスコータイを訪れる機会あらば、今回の経験を踏まえてより効率的な旅にしようという備忘録である。
ラクティカルな価値など皆無の我がブログだが、備忘録としてだけは時々有効に作用することを私は経験的に知っているのだ。


バンコクから450km、チェンマイから300km超離れた世界遺産都市、スコータイ。
どちらからもバスで行くのが一般的、私は今回の旅ではチェンマイをベースにしていたので当然チェンマイから。

チェンマイ発(着)の長距離バスは、アーケード・バス・ターミナルという旧市街から4km程離れた場所に集約。
正式名称は「チェンマイ第二バスターミナル」だが、ホテルのスタッフにもソンテオ(乗合タクシー)やトゥクトゥクのドライバーにも普通に「アーケード」で通じる。というか、アーケードと言わないと通じにくい。
私の泊まっていたナイトバザール近くのホテルからソンテオ貸し切りで50バーツ(175円)だった。

私は前日のうちにアーケードでバスのチケットを購入しておいたが、当日朝7時発のスコータイ経由ピッサヌローク行きのバスは満席だったので、この路線を利用するなら事前購入が吉であろう。
ちなみにバス会社はWIN TOURという民間企業で、スコータイ行きはほぼ1時間に1本。
自由席でトイレのない2等バス、代金は207バーツ(725円相当)。

所要時間は5時間半ほど。
日本のように高速道路網が整備されているわけではないけれど、幹線道路は綺麗な舗装路でアップダウンもあまりなく、楽々文庫本も読めるほど快適な道中であった。

そしてバスは「ムアンカオ」と呼ばれる遺跡公園のあるスコータイ旧市街を通り抜け、西に離れた新市街のバスターミナルへ向かう。
ガイドブックによれば事前に運転手まで申し出ればムアンカオで下車可能とあったが、私は翌日チェンマイまで帰るバスのチケットを買うためにバスターミナルまで乗車した。
これが間違いというか、大いなる無駄であったことを後に知る。

帰りのチケットを買い求め、近くのローカル食堂で昼食を済ませ、それからバスターミナルに停車中のムアンカオ行きソンテオに乗りこんだが、出発まで30分待ち。
ようやく出発してから新市街を経由して目的地までは更に30分。
スコータイの見所はムアンカオにしかなく、私はホテルも同地区に押さえていたので、この時間のロスが非常に勿体ないのだった。

ホテルにチェックインして宿の女将さんに街の近隣の地図をもらって案内をしてもらうと、なんとムアンカオにもWIN TOUR社のバス停があることが判明した。後から場所の確認と私の所有しているチケットでそこから乗車可能か調べに行くと、待合室の奥にはカウンターがあって常駐の職員もおり、バスのチケットを販売しているではないか。
こじんまりしたスコータイ遺跡群は1日あれば粗方見て回ることは可能だが、より効率的な観光を楽しみたければ、バスの乗車も降車も宿も食事も全てムアンカオで完結するのが賢い方法であると断言する。
遺跡公園と侮るなかれ、ムアンカオの中心地にはレストランもコンビニも揃っている。そして素通りしただけの新市街は全く魅力的な街には見えない。
ちなみにWIN TOUR社のバス停は遺跡公園の入場券売場のある中心地か部らメインストリートを新市街方面(西側)へ500mほど行ったところにあり、迷いようがないぐらい分かりやすかった。

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軽井沢のコンビニ同様、ムアンカオのコンビニも景観を意識した店構え。
品揃えもチェンマイ市内の店と変わらないし、ATMもある。

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お世話になった宿は、遺跡公園のゲートから歩いてすぐの「Oldtown Boutique house」。
部屋数僅かに3の平屋建てプチホテル。

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センス抜群の綺麗な部屋、女将さんは笑顔が素敵な物腰柔らかい控えめな方で、ホスピタリティも非常に高い。
朝食はコーヒーとトーストのみのコンチネンタル・ブレックファストだが、Agodaでネット予約した宿泊料金は税金と諸経費込みで3545円ですからね。最高過ぎるにも程がある。ちなみに町のレストランは早朝から開いており、ちゃんとタイ料理を頂くことも出来る。

さて、公園西エリアにある「ワット・サパーンヒン」というお寺がサンライズの名所と宿の女将に教えてもらい、私は2時間300バーツのサンライズ・ツアーのアレンジをお願いした。
自転車でも行けるそうだが、真っ暗な道を何Kmも自転車で走るのは気が進まないばかりか迷う恐れもあり、更に公園西エリアとは治安が悪いことで有名で、数年前に日本人の一人旅の女性が殺害されるという事件まで起きている。犯人は未だ捕まっていないそうだ。
場所も非常に分かりにくく、自力では恐らく辿り着けなかったと思われ、スコータイでサンライズを見に行くならトゥクトゥクをチャーターすることが必須であろう。

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周囲が明るくなってから撮影したものだが、実際は日が昇る前の真っ暗な中をこの石畳を登って丘のてっぺんにあるワット・サパーンヒンへ向かう。
前夜激しい雨が降ったようで濡れた石畳は滑り易く、他の観光客は誰一人おらず、かなりの恐怖であった。

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東の空は雲に覆われ、残念ながら太陽の姿は確認できず。

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しかし仏陀と私だけしかいない世界で新しい朝を迎えるというのも、なかなかに得難い体験だったと思う。

この後はホテルへ向かいがてら、ドライバーにお願いして公園北エリアの遺跡を見学。
この西エリアと北エリアは中心地から徒歩で行くには少々、というかかなり厳しい位置にある為、サンライズ・ツアーを200バーツの1時間プランではなく300バーツの2時間プランにしたのはこういう理由によるのであります。

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北エリアのこの遺跡、なんか既視感があると思ったら、なんと私が持ち歩いている「地球の歩き方タイ2017-2018」の表紙のイラストになっているではないか!

今振り返ってもこの遺跡が最も記憶に残っている。

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この象の像が印象的な遺跡も北エリア。
やはり外せない場所だった。

ちなみに北エリア、西エリアそれぞれ入場料が100バーツずつかかるのだが、早朝のこの時間帯はチケット売場が開いておらず無料で見学可能。
300バーツのトゥクトゥク代金を払ったとはいえ、結果的には大変にお得な早朝ツアーとなった。
自転車を借りると30バーツ、自転車で遺跡に入ると入場料の他10バーツかかるので、自力で回った場合とほぼ同じ料金だったことになる。

前日新市街のバスターミナルで購入した11:50発のバスチケットで、12:20頃ムアンカオのバス停よりバスに乗り込む。このバス停にはバンコク/アユタヤ行きのバスも止まります。

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チェンマイ到着は18時過ぎ。
とても楽しいスコータイ小旅行だった。


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