幽霊魚・・・10/10中山丸

三連休は雨が降ったり風が吹いたりしたそうだが、生憎と土日ともに休日出勤の私には所詮関係のないこと。

・・・。

と思ったら大アリでしたよ!

私の唯一の休みである体育の日が、三連休中唯一の雨マークがない日であった為に全国各地より釣人が大集結、中山丸タチウオ船は定員一杯難民船状態、更に餌とルアーの混成という大カオス状態に陥っていた。

ホスピタリティ高く、家庭的で雰囲気の良い中山丸、何時きてもあまり混まないことも魅力のひとつだったのだけど、まぁ良い船宿の人気が高まること自体はとても良いことである。

私に与えられた釣座は右舷ミヨシ二番手。
と言えば聞こえはいいが、哀愁お立ち台の上である。

しかも前日の南西暴風の吹き返しが思いの外強く、観音崎は終日10m以上の北東風。
ミヨシのお立ち台は激しく上下に揺さぶられ、しかし座ったままではワンピッチジャークもままならず、不安定なお立ち台の上で踏ん張って仁王立ち、強制的に全身の筋トレに励むこととなった。
俗に言う「修行のような釣り」というヤツである。

更にこういう時に期待を裏切ってくれるのがタチウオ。
前日はルアーも餌も平均20本以上と好調だったのに、この日の反応は底ベッタリで厚みがなく、典型的なルアー撃沈パターンである。

タチウオ船団のど真ん中で数頭のイルカが楽しげに曲芸をしていたのでタチウオは浮いてこなかったのだろうか?

小気味良くワンピッチジャークをするとすぐにタチウオの泳層をジグが通過してしまうので、スローに巻いてみたりポーズを入れたり5m巻いてフォールさせてみたりとあの手この手。
しかしタチウオからのコンタクトは極端に少なく、挙げ句ポーズを入れた瞬間にリーダーを噛みきられる始末。
ダメだこりゃ。

一瞬の時合いが訪れた時には私は私のラインに激しく巻き付いた他船のものと思われる切れた道糸とテンビンとその先にくっついた瀕死のタチウオと格闘の真っ最中であった。

ラチがあかずラインカットして船上でラインシステムを組み直すも北東暴風にPEラインが煽られて難航!そんな間にも魚はポンポン釣れている。焦った私はあろうことか目をつぶってても出来るぐらいにお手のものと自負していたFGノットを失敗してやり直すというみすぼらしさ!もう泣きたいぜ!

やっとのことで戦線に復帰した時には、既に時合いは去っていた。

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たまの釣りならとことん楽しみたいところだが、悪い流れの時は所詮こんなものである。

最後は下浦を攻めるもタナはより深く、反応は変わらず底ベッタリ、型は観音崎より二回り小さいという悲惨な状況で14時20分に沖上がり。

フィジカルな疲れは勿論、メンタルの疲れも相当溜まってぐったりと船に揺られながら帰港した。

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【釣果】
6時45分出船、14時20分沖揚がり
タチウオ8本


【タックル】
ロッド:TENRYU OCEANIA OC581B-4
リール:SHIMANO スコーピオン1501XT
ライン:PE1号、リーダー:フロロ5号、先糸フロロ12号


【本日の総括】
たまの釣りが苦行/修行で終わるとは、バイオリズムが依然として低下中としか言い様がない。
早急にスカッとする釣りをやりたいところだけど、手帳を見てはっきりしたのはこれが今月最後の釣りとなることが確実であるということ。

8月は午前アジ1回、9月は半夜釣りが1回、巻き返しを誓った10月も僅か2回の釣行にとどまり、我が釣りライフは異常アリアリの2016年である。

明けない夜が無いように、終わらぬ試練もない。
11月こそは釣りどっぷりの日常を取り戻したいところだ。

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ところで8本という貧果に終わったものの、そのうち5本がなんとメーター超え、型にだけはそこそこ恵まれたのでありました。

冬場の極太タチウオは脂のノリが強烈でもて余してしまうのだが、この時期だとまだそこまでのしつこさもなく、炙りと塩焼きで美味しく頂けました。

会社に三枚おろしとガスバーナーを持ち込んでランチタイムに同僚たちにタチウオの炙りを振る舞ったところ大好評。

炙りはともかく塩焼きぐらい食べたことあるだろうにと思ったけど、意外なことにタチウオ自体初めてという若者が数名いた。
勿論炙り刺身は皆さん初めてのようでしたが。

私の届ける魚をいつも心待ちにしていた実家の猫さんがこの世から居なくなってしまったことも私の釣りに対する意欲を削ぐ要因に少なからずなっている気がする。

たまに同僚や後輩たちとワイワイやりながら美味しい魚を振る舞うのも、コミュニケーション、文化の継承、感動の共有など良いこと沢山だなと再確認。

まあ、お前らなんか所詮猫の代わりだぜ!

スイマセン、冗談です。