金曜日の憂鬱・・・新角(有楽町)

終電で帰宅した木曜日。
ソファに座りビールのプルタブを開けたところで失神するかのように寝落ち。
気が付くと外はもう明るく、蝉どもが盛大に鳴いていた。

やれやれ。
もう会社に向かう準備を始めなくてはいけない時間じゃないか。

シャワーを浴び、身支度を整え、フラフラと灼熱の世界に足を踏み出す。

朝食を摂らずに出てきてしまったが、お腹が空いているのかいないのかすら自分では上手く判断出来なかった。
最近、といってもここ1週間程たが、慢性的に胃腸の調子が悪く(その割には辛いラーメンを食べまくっているが)、自分のお腹と対話が出来ない状態が続いているのだ。

手帳を見るとこの日の予定も結構詰まっている。
食える時に食うのが得策と判断、乗換えついでに有楽町の立ち食いそば店、新角へ。

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そば屋といってもここのそばは不味いので、いつもの卵カレー560円。

この給食然とした醜悪なルックス、しかし的確にノスタルジーを刺激する郷愁と追想の味。
美味いか不味いかの二元論では語ることの出来ない何かがこのカレーにはある。

文章を書くこととは言語という抽象を用いて表現を試みる行為だが、そもそもこのカレーは言語化を拒むような存在自体が抽象的な実体である。

言語化出来ない思いをスプーンを用いて咀嚼し、空虚となった皿をカウンターに戻すと、私は会社ごっこという集団幻想の抽象概念へと向かった。