アルク

メランコリーに捕まって、私は会社を飛び出した。

暮れ泥む多摩川の土手を歩く。
消えたくなる気持ちを押し殺し、あてもなく歩く。

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音楽を聴きたかったが、iPODは家に忘れてきた。

西陽の残滓で生温くなった部屋で、私はアジの干物を焼く。
初夏の東京湾産金アジで作った自作の干物はまさに絶品だ。

ビールを飲み、白ワインを空け、焼酎のお湯割りに切り替えたあたりで前後不覚に陥り昏倒するように眠りについた。

目が覚めると5時。
初夏の朝は早く、あたりはすっかり明るい。

私は水を飲み、iPODを持ち、ランニングシューズを履いて多摩川の土手に向かった。

ところで全く意味の無いこの文章のテーマは、「アジは人を救う」ということである。