石
自虐的シニカリズムとルサンチマン的反逆。
タイトルは真逆だが、いずれの小説も「個人」と「集団」、あるいは「個人」と「社会」の軋轢やら矛盾やらから生じる怒り、齟齬、虚無感等を描くことを目的とした作品であると考える。
このように俯瞰してみれば、相対する概念というのは実は根本においては大差がないのではないかという気がしてくる。
知性とは相反する概念を合理的に解決出来る視野の広さと、清濁併せ呑む度量の深さをもつことだ。
借方と貸方は常に釣り合っている。
善と悪、賢と愚、光と闇、好きと嫌い、愛と憎しみ、etc。
ポジティブとネガティブに二極分化されそうなこれらの対義語は、同じ概念の異なる側面であると言えるのではないか?
とにかく私は深く怒っている。
それは虚無感と無力感を振り払う為の前向きな推進力である。
何を言いたいか忘れてきた。
というお話。
バリ島滞在は私にとってとても意義のあるものだったようで、いまだに心がバリから戻ってこれないのだ。