哲学の季節、開幕。…11/1千鯛丸(千倉)

 
時として釣人を哲人に変えてしまう魔の海千倉沖。
 
11月1日、魔の海の魔のターゲットであるヒラメが解禁するというので、昨シーズン、いや、生涯でまだ4回しかヒラメ釣りをやったことがない私は解禁祭りに参加することにした。
 
記録を紐解くと(と言ってもこのブログを遡るだけなのだが)、今年の2/11に千倉の千鯛丸にてヒラメ釣りデビューを果たし、その後4月末までに合計4回挑んだのだが、恐ろしいことに毎回が哲学的な釣行となった。
つまり天候に翻弄され、ヒラメに翻弄され、超美味高級ゲストが釣れてしまったり、船中でただひとりのボウズという屈辱を受けたかと思えば、竿頭を取ってシーズンを締め括った。
喜びや哀しみ、楽しさや怒り、人はなぜ生まれたのか?死とは何か?人生の意味とは何だ?
全ての 答えは恐らく千倉沖にある。
 
…。
 
な~んちゃって。
 
私には経験を踏まえた静かな自信があった。
小雨は避けられそうもないが風はなく恐らく海は凪で釣りやすいだろう。
解禁日であれば場荒れもしていなければ魚もスレていないはず。
 
釣りはしないけど魚が大好きというサマーな後輩(仮名)に前夜、「明日ヒラメが沢山釣れるだろうからお裾分けするので捌き方を調べておくように」と伝言までしていた。
 
しかし!
 
やはり魔の海千倉沖で私は哲学に励むこととなったのだ。
 
 
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【釣果】
5時30分出船、10時30分沖揚がり
ヒラメ5枚
 
 
【タックル】
ロッド:DAIWA 早舟ヒラメ M-270
リール:DAIWA SALTIGA-Z30L
ライン:PE3号、リーダー:フロロ40lb
 
【本日の総括】
「一人蚊帳の外であったお客様も後半頑張りました」~“千鯛丸釣り日記”より
 
スイマセン、それ俺っす!
 
船長は「解禁日にボウスを出したくないから型は置いておいて実績のある場所だけを攻める。型もの狙いの方は後日また来て欲しい。」と再三再四アナウンス。
 
その言葉通り、ソゲ中心ではあったが船中順調にヒラメが取り込まれていた。
ただ一人、蚊帳の外にいた私を除いて…。
 
アタリはある。
しかしアワセたらすっぽ抜ける、食い込まずボロボロにされたイワシが上がってくる、あと少しのところでバレる、果てはお隣さんが掛けたのでキーパーに竿をセットしてタモ取りしている間に竿が絞り込まれ大物ヒット!しかし釣座に戻ると既に逃げられていた等々、とにかくダメ!全然ダメ!
 
「あれ?バレちゃったの?」
イワシ囓られてるねえ~。」
「上がった?え!バレたの!?」
「またダメだったのかい?」
私が掛ける度バラす度に人の良い船長が気の毒そうに訊いてくる。
その表情は本当に悲しそうで私は胸が張り裂けそうになる。
いっそのことタックルを握り締めたまま魔の海に飛び込み即身仏となることで私の哲学を完結させてしまおうか?と甘い誘惑に捕らわれそうにもなった。
 
しかしラスト1時間で攻略法を発見、なんと5枚たて続けに釣って一気に周りの皆さんに追いつき(あるいは追い越し)、形になってしまった。
これだから哲学はやめられないし、魔の海が魔の海たる所以でもある。
 
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宣言通りサマーな後輩に気前よく3枚お裾分け、更に実家にも宅配便。
 
唯一持ち帰った1.5kg程の本日最大の獲物を刺身にし、これを肴にワインを飲みながらこの記事を書いている。
 
何故だが刺身は酸味が強く、冬~春に釣ったヒラメの味とは少々異なるような印象を受けている。
数日寝かせたらどう変わるか?
確かめてみるとしよう。
 
哲学は続く。