もちすぎ君2014夏…8/25庄三郎丸

久々に握ったマグロタックルは別格の重さであった。
 
チャンスは少ない。
多分釣れない。
しかし掛かったら掛かったでそこからが大変。
 
ワクワクドキドキハラハラする釣り物ではあるが、それと同時にどこか気が重い。
マグロ釣りは自分の釣り種ポートフォリオの中では比肩するものの無い特殊な釣りである。
 
昨年人生初のマグロを釣り上げたゲンの良い23号船。
 
また釣れちゃったりしてと甘い考えが一瞬頭を掠めたが、我が人生は本当にスーパースイートであった。
 
一応カツオ用にジギング・タックルとキャスティング・タックルも持ち込んでいたのだがこの日はカツオの反応が極端に少なく指示タナは50~80mと深め。
マグロのみを追いかけていたようでこちらもエビング一本槍で挑む。
 
 
9時半過ぎだったか、
「反応入ってくるよ!」
との船長の確変予告の直後、左舷トモ二番手の竿が海面に突き刺さりドラグが唸りを上げた。
この突進力はカツオでもキメジでもなく間違いなくマグロだ!
 
羨望の眼差しから視線を我が竿先に戻した直後、しゃくった竿がス~っともたれた。
「!」
力いっぱい強烈なアワセを三発入れると
「ズドン!」
キ・キタ━━(゚д゚;)))━━!!
 
あわわわわわわわわわ。きた!本当にきた!
自らの体力を顧みず村越正海氏のセッティングを参考にドラグを5.5kgに設定していたのがそもそもの間違いであった。
負荷が強くて真下に走れなくなったマグロは真横に走り出す。
ミヨシのお立ち台に陣取っていた俺のラインは次々と同船者たちを巻き込みながらまっすぐとトモに向かって走る。
 
「後ろに行って!そのまま椅子の上を走って後ろに行って!」
 
船長から非情なアナウンスがあるが冗談じゃない、こんな強力な負荷を感じながら足場の悪い揺れる船の上を機敏に動ける訳ないじゃないか!
 
見かねた隣の手馴れたアングラーが「ドラグの初期設定が強いですよ!」と言って緩めてくれる。するとマグロは凄い勢いで走り出したが、俺の負荷も軽くなったので難なく歩けるようになった。
そのままお隣さんがオマツリを外しながらついて来てくれる。
 
既に仕掛けを上げてくれていた大ドモのアングラーが場所を提供してくれる。
200m程ラインが出たところでマグロの疾走が止まる。
 
さあ、ドラグを締めてここからが勝負!
 
「!!!」
 
後ろの船のアングラーのビシが中に浮いている。
やばい、俺のラインとオマツリしているじゃないか!
 
申し訳ない。
本当に申し訳ない。
 
不格好なファイトだが俺だって生涯2本目のマグロ、慣れてないんだよ!
 
しかし初めてではないことで多少の余裕もあった。
ラインは使い慣れたヨツアミのウルトラダイニーマ、配色パターンが頭に入っているし出された糸の量も把握していたので残りのメートル数がはっきりと分かる。

捕れる!絶対に捕れる!
 
俺は自分を信じてポンピングしながらリールを巻き続けたのであった。

イメージ 1

 
 
【釣果】
6時出船、13時50分沖揚がり
キハダマグロ 1本(24.5㎏)
 
【タックル】
ロッド:TENRYU SPIKE TUNA SK812TN-H
リール:DAIWA キャタリナ6500H
ライン:PE6号、リーダー:ナイロン100lb
 
【本日の総括】
サメに襲われることなく、綺麗な姿で上がってきたキハダマグロは24.5kg
去年は30分以上かかったファイトも、今年は体感的には20分かかっていないように感じた。
実際昨年は数日間苦しんだ筋肉痛も大したことなかったし、初めての時よりは上手くやり取り出来たのかもしれない。とは言え同船の方々、特にお隣さんのサポートが無ければ絶対に取れなかったけど…。
 
皆さん、ありがとう!こういう一体感も他の釣りにはない魅力ですね。
 
しかし前日は東京湾のタイラバでアタリすらない完敗に終わり釣りのバイオリズムは絶不調かと思いきや翌日にこんなドラマが待っているとは、釣りも野球以上に筋書きのないドラマである。
 
釣った獲物は4日寝かせてから大量の漬けと刺身を作り、会社に持って行って終業後にマグロパーティーを開催した。
 
派手な釣りだけに、食べる時も派手に食べたほうが楽しい。
 
毎週通いたくなるような釣りではないけど、風物詩的に毎年挑みたい種目ではある。
そういう季節感も釣りの楽しさを構成する大きな要素なのだ。