本流に非ず・・・一蘭渋谷店

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居酒屋にしてもラーメン店にしても所謂チェーン店というものは好まない。

ではラーメン二郎蒙古タンメン中本や天下一品はチェーン店ではないのか?と問われると返答に窮するのだが、二郎や蒙古タンメン中本はラーメンと共にスピリットを頂くという店だし、天下一品に関しては独創性が高過ぎるのでチェーン店とは一線を画する存在であり、自分内基準ではチェーン店の範疇ではないのだ。

一方で旅人心をくすぐる地場チェーンというのもある。
地域に根差したチェーン店で摂る食事というのは地元民のソウルフードに触れることであり、それなりに旅愁をそそるものである。

しかしその地場チェーンが地元の枠をはみ出して全国展開を始めると、旅愁は削がれ往々にして凡百のチェーン店に堕する。

そういうわけで東京に進出してきた博多ラーメンの一蘭と、大阪ラーメンの神座とは物理的な距離が縮まったことと反比例するかのように精神的な距離は離れてしまった。

台風の暴風がほぼ収まった昼下がり、渋谷で仕事を終えたので天下一品でも行こうかなと思って歩いていると、すっかり疎遠になってしまった一蘭の看板が目についた。
なんとなく店内に。
ラーメン、半替玉、生ビ・・・あ、何でもありません。の食券を購入して空いてる席へ。

うん。
普通に旨いよ。
画一された地場チェーンにありがちな画一的な旨さだ。
しかし、博多ラーメンの真髄は最早この店には宿っていない。
ああ、薬院駅前の八ちゃんラーメンが食べたいなぁ。

店内は概ね満席、いや店を出た時には数人並んでいたが、中国語と英語が飛び交っていた。

この店特有のエンターテインメント性は、観光客にこそ受け入れられ易いものなのかもしれない。

そう思うとますます地元のスピリットとはかけ離れているんだなぁと改めて感じ、なんとなく興醒めというか鼻白む思いがした。

まぁラーメンにスピリットを求めるのもいかがなものかと思わないでもないが。