猛臭・・・ラーメン二郎三田本店

スケジュール帳を何度見直しても、その日昼食の時間が取れないことは揺るがないのであった。

原則的に私は食うために働いているのであり、働くために食っているのではない。
ましてや働くことによって食事を疎かにすることなど、とても容認出来ないのであった。

そこで私は合理的に問題の解決を図るため、朝食をラーメン二郎三田本店で摂ることにした。

朝食をラーメン二郎三田本店で摂ると夜までお腹が空かない為、昼食という概念そのものが消滅するのである。

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オーダーはラーメン、麺かため、野菜、ニンニク少々。

まだ朝早いとはいえ、空調の入っていないラーメン店は既に灼熱地獄である。

ただでさえ手強いラーメンが灼熱地獄との相乗効果で恐るべき暴力性を発揮する。

暑がり、汗かき、虫嫌い、夏が天敵の私は極端にデフォルメされた漫画の登場人物よろしく尋常ではない量の汗にまみれながらブルータルな丼に立ち向かった。

二切れ入った豚の片方が硬めパサつき肉だった一点を除けば、ほぼ完璧な出来具合であったことも幸いし、難なく完食できた。

ごちそうさま。


あとは粛々となすべきことを遂行するのみである。

そして実際に私はクールに無慈悲に業務を遂行した。

私はイカしたゴキゲンな中間管理職なのだ。

しかし異変に気付いたのは夕方に一人でエレベーターに乗ったときのことだった。
まるで直前に浮浪者が乗っていたかのような不快な微悪臭がカゴ内に漂っていた。
わが社が様々な問題点を内包していることは疑いようのない事実であるが、浮浪者が出入りするようなことはないはずである。
不審に思って臭いの元を辿ると、それは自分自身だった。

真夏の三田本店参詣は、着替え持参で臨むべきであるということを学習した。

残念ながらこの日私は多くの女性ファンを失ってしまったことだろう。