2012年初真鯛…3/25トレードウインズ

東京湾真鯛のノッコミの気配。
 
カワハギなどという雑魚ばかり相手にしてきたここ最近、心と身体が大物との格闘を求めている。
 
常宿の金沢八景・野毛屋はまだアオリイカ全盛でエビタイ船は出ていないこともあり、約2年ぶりにトレードウインズにお世話になった。
 
同船はタイラバ3回目、そろそろ本命の顔を拝みたいと気合が入る地元の友人(仮にA君)と、毎週のように羽田かみやのカワハギ船で顔を合わせていたT山氏(通称Tちゃんマン)の合計3人。
ここに船長も加わり4人で竿を出した。
 
湾奥はベタ凪だったが、海保を越えたあたりから徐々にウネリが酷くなり、現場の鴨居沖に到達した頃には大ウネリで小さなTWの船は錐揉み状態だ。
辺りはやや強めの西風が吹いていたもののここまで激しくウネル程の風ではなく、大島で吹いている20mの強風から生じるウネリが入ってきていたようだ。
つまりは南で風が収まらない限りは凪ないという状況、更に俺の釣座は左舷ミヨシ、はっきり言って遊園地のアトラクション状態である。
 
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上ッ側の潮が速いやや二枚潮気味の下げ潮が流れている。
潮色はイイ感じに濁っている。
 
ウネリに翻弄されはするものの、釣れそうな気配はムンムンに漂っている。
 
一流し目、二流し目と空振りが続いて三流し目。
 
イワシの反応は無いというし、潮も早いのでスローなリトリーブで10m探ることに。
単調な作業の繰り返しのタイラバだが、底立ちを丁寧に取ることを心掛け、尚且つルアーを見ている魚をイメージすると意外と集中力が途切れないものである。
 
そうやって単調な作業を繰り返していた刹那、
「???」
そこから9m巻いたところで竿先がもたれ、ハンドルが重くなる。
なんだろ?クラゲでも引っ掛けたかなと思ってそのまま巻いていると、
“ズドン!ジジジジジジ―――――――――!”
いきなり竿が海面に突き刺さり、2kg弱に設定したドラグがフル稼働して勢い良くラインが放出された!
「いきなり、キタ----------------------!!!」
 
アタリ方といい引き味といい大型真鯛っぽいが、イワシもいないのに底から9mもの高さでアタルというのも経験が無く半信半疑。
まさか鯛の物真似が上手いサメなんてことはないだろうな?
ゴンゴン頭を振る引き味と重量感、うん、やっぱり真鯛に違いない!カワハギの引きとは当然ながら比にならない。
 
残り5mになっても弱らないのでまたまた不安になったが、ゆっくりと上がってきたその魚体は・・・
「おお、デカイよ!」
取り込みにきた船長が声を上げる。
無事にタモに収まった魚は大きなメスの真鯛だった。
 
心地良い疲労感を感じながら記念撮影に応じ、釣り再開!
しかし既に満足感に包まれていた俺はその後も高めのタナで頻繁にアタリが出るものの全く針掛かりしないのであった。
不思議なもので、諦めると絶対に釣れないが、満足しても釣れなくなってしまうのもタイラバというものなのだ。
本当にメンタルな要素の強い釣りだと思う。
 
その後T山氏が1.6kgを釣り、アタリが全く無いとボヤいていた船長が初めてのアタリをヒットに持ち込みこれまた1.6kgをゲットした。
 
しかしここから不思議な展開に突入。
 
俺にアタリはサッパリ来なくなり、船長も全くアタリが無くなったと言っているのに、T山氏だけにアタリが連発、最終的には9回ヒットさせ6枚ゲット、更に外道で良型ホウボウを2尾という凄まじい釣果を叩き出したのだ!
 
同じブリッジのタングステン製80gのヘッド、同じブリッジのネクタイを使っているのにこの差は何処から生じるのだろうか?
落として巻くだけと思われがちなタイラバであるが、その奥の深さを考えさせられる釣行となった。
 
イメージ 2
 
あ、独りだけ取り残されてしまい後半から帰宅まで寡黙な、いや黙秘権を行使する容疑者よろしく完全沈黙の男と化してしまった友人(仮にA君)、あの日はとても言える雰囲気では無かったが俺が初めての真鯛を手にしたのは実に5回目の釣行であったのだよ。
NEVER GIVE UP!
 
【釣果】
6時出船、15時沖揚がり
真鯛1枚(4.7kg)

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:DAIWA RYOGA BAY JIGGING C1012PE-HWL
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
やはりタイラバには他の釣りにはないロマンがある。
釣りを始めた時から一貫して数より型に拘る釣りが好きなのだが、そういう自分の嗜好を改めて認識した。
まぁ釣れたからこそ言えることで、釣れない時に言ってもただの言い訳になっちゃうんですけどね。
 
この日攻めた水深は45~50m、そして釣った獲物を家で捌いたら腹から大きな真子が出てきた。
間違いなくノッコミ第一弾であろう。
 
5kg近いサイズだった割には脂のノリが良く、臭みも殆どなく、身割れもせず、刺身は流石にいささか厳しかったけど釣った当日はカブト煮(カマも)と潮汁、翌日以降は昆布締めと鯛しゃぶと味噌漬け焼きで思いの外美味しく頂いた。
 
深場から上がってきたばかりの真鯛は旨いんだな。
 
今度は2kgぐらいの美味しいサイズを仕留めたいな。
 
欲をかくと得てしてボウスになりがちなターゲットではあるが、初戦完勝で気を良くした俺は早くも次の大潮周りが楽しみになってきたのであった。