悲惨散々アオリイカ・・・2/6野毛屋

ストレスフルな状況に身を置くと酒量が増えてしまうのは酒飲みの哀しい性である。

釣りに行く日は強制早起き、前の晩の酒量は自ずと抑えられるし、個人的に船上では酒を飲まない事に決めているので昼から酒を飲んで無為に休日を終えることもない。

文字通り、釣りが命綱になっていることを実感する昨今である。

しかしここのところの釣りを振り返ると、カワハギ3枚、タチウオ1本、ハナダイボウズとろくでもない釣りを3週も続けている。
そろそろスカッとするような釣りをしないと精神衛生上も宜しくない。

という訳でここは原点回帰、狙うはキロ・オーバーのアオリイカだ!

前日は休日出勤をこなした後、上州屋でエギを2本購入してから帰宅。
そして夕食を摂りながらワインを1本空け、酔った頭で翌日の準備をしてから就寝したが、そもそもこれが間違いの始まりであった。

翌日開店直後の船宿に着いてみればアオリ船は先行者7名と盛況。四隅は勿論のこと狙い目の右トモは三番手まで埋まっている状態だったので左舷ミヨシ二番手を取った。

そして船上でタックルの準備に取り掛かると、
「!!!」
酔った頭で準備をしたことが災いし、なんと間違えてスピニング・リールを持って来てしまい、更には買ったばかりのエギ2本を含む手持ちの3.5号の殆どのエギをケースごと忘れてしまった!

一瞬頭が真っ白になったが、気を取り直して一旦船を降りて船宿に哀愁Uターン、社長に事情を話してリールをお借りした。

出鼻をくじかれた(自業自得だけど)格好でテンションは戦前から下降気味だが、とりあえず船は定時に出港して竹岡沖へと向かった。

干潮時刻が12時半のこの日、風は北風なのでトモ側が潮先となり、ミヨシ二番手の俺にとっては我慢の釣りになることは想定の範囲内
しかしこの後予想だにしなかった事態に遭遇する。
「ゴジュウハチ!」
指示タナを3m下げる事を告げるキャプテン勇治のアナウンスが船上に鳴り響いた。
リールのクラッチを切って糸を出すが、56m程のところから全く糸が出ない。
「?」
不思議に思って手元を見ると、
「!!!」
なんと剥き出しのスプールには全く糸が残っていなかったのであった。
これじゃ指示タナ攻められない!

メインのエギを忘れるは、深場は攻められないはで大幅なハンディを背負う格好となり、もはや俺は己の愚かさを呪うよりほかなかった。

うん。やはり翌日の釣りの準備は飲み始める前に完了するべきなのだよ。

ある程度予想した通り午前中はトモ側ばかりが釣れる展開だったが、
“ドンッ!”
キタ!と思ったらチップ。
気を取り直して再びしゃくるが、どうも手応えが不自然に軽い。
一旦糸を巻き取ってみると・・・
「!!!!!!!!!」
なんとキング・シンカーが、キャプテン勇治プロデュースのキング・シンカーのワイヤーが経年劣化の為か破断、リーダーもろともエギが失くなっていたのだった!
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これって“下駄の鼻緒が切れた”なんてもんじゃ済まないほどに縁起が悪いんじゃないの?

・・・。

もう廃人である。

きっと残りの人生もろくでもないものに違いない。
望みは叶わず、努力は報われず、上司には恵まれず、仕事は認められず、佐世保チーズバーガーをオーダーしたってきっとチーズが入っていないに違いない。

“ドンッ!”
絶望に支配されていた俺の竿が突然弧を描いた。
“キターーーーーー!”
上がってきたのは目測500gの小さなアオリ。
サイズは小さいが贅沢は言ってられない状況、とにもかくにも本命ゲットでホッとした。

まあドラマと言えばそんなもんで、その後も深場では指示タナにエギが届かないし、今シーズンメインで使っていたエギ王Q LIVEは無いしという状況は当然変わらず、虚しい釣りを続けた。
一瞬モンゴウイカと見紛うような巨大スミイカを釣り、ヤリイカも3杯釣った。船中では小さなヤリイカも結構混じったが、俺は4.5号のエギを使っていた為かいずれも良型であった。
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御三家揃い踏みでゴザイマス。

午後の方がノリが良かった為かキャプテン勇治も4時半まで粘ったが、俺はその後本命を乗せることなく沖上がりを迎えた。
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帰港する頃にはすっかり陽も落ちていた。

【釣果】
7時15分出船、16時半沖揚がり
アオリイカ1杯、スミイカ1杯、ヤリイカ3杯

【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:船宿レンタル
ライン:PE2号、ハリス:フロロ5号

【ヒット・ルアー】
YO-ZURIアオリーQ ブロンズゴールド4号、マーブルサクラダイ4.5号

【本日の総括】
これで4週続けてしょっぱい釣り、どうもバイオ・リズム(というものが本当にあるのか知らないが)は低空飛行から抜け出せていないようだ。

この日の夕食は折角なのでイカ3種類の食べ比べ。
人それぞれ好みはあるのだろうが、個人的にはアオリが最も旨く、次いでスミイカヤリイカの順だった。

嗚呼、次こそは周到な準備と綿密な計画でスカッと会心の釣りをしなくては。

本厄を終えたはずの2011年、早くも己のレーゾンデートルを見失ってしまいそうなミッドライフ・クライシスに直面している。