on being famous・・・柳麺ちゃぶ屋

そこは採血すらろくに出来ない究極のヤブ医者であったが、会社指定の健康診断だったので選択の余地は無かった。

昼前には無事に(というか決して無事にではなかったのだが)診断は終わったので、少し足をのばしてラーメンでも食べてから出社しよう。
という訳で件の病院から徒歩圏にある有名店、護国寺の「ちゃぶ屋」へ行ってみた。

昔行列に並んで食べてみたものの、余り感心しなかった記憶があるけど実際どうだったっけ?殆ど記憶がない。

昼時だったけど行列はなくあっさり入店。人気が落ちたのか運が良かったのかは知る由もないが…。
オーダーしたのは煮タマゴチャーシュー麺(醤油味)1000円也。なかなか強気なプライスだ。

厨房を取り囲むようなカウンターは広々してて落ち着いた色合い、ホール係はバーテンのような格好で、厨房のスタッフはまるでフレンチのシェフのよう。
おまけにBGMはジャズですよ、ズージャー!

色々な価値観があって然るべきだと思うし、オシャレ指向のラーメン店を否定するつもりもないけど、俺がラーメンに求めたいのはプリミティブな衝動を満足させてくれるような武骨さ、荒々しさ、男気、野趣、素朴さのような類なのである。ちょっと馴染めない雰囲気だな、コレ。

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魚介系のダシ、しかしそのダシの繊細さを台なしにするかのようにスープは激しく塩辛い。そして自家製太麺はぐにゃぐにゃした食感でまるでうどんのような歯ごたえ。もうちょっと歯切れ良い方が旨いと思うんだけどなあ。
チャーシューは厚みも味も薄っぺらく、煮タマゴは半熟と呼ぶには堅すぎるが完全に茹でてあるわけでもないようで、これは何かを狙ったのか単に失敗したのか判断がつきかねた。
う~ん・・・。

ラーメン本が売れ、ラーメン番組が氾濫する昨今、間違いなくラーメンはブームなのだろうが、世間一般のラーメンという名の共同幻想と、俺が抱えるラーメンという個人的幻想とは実は似て非なるものなのかもしれない。

そして言うまでもないことだが、店の有名性と自分の嗜好との適合には何ら相関関係はないのであった。