グーフーでベーナー・・・1/24野毛屋

終電ギリギリまで新宿で飲んでしまった土曜日。

仮眠を取って出発したが、車を出した途端忘れ物に気が付いて家まで取りに帰ったり、道中で哀愁便意を催してマクドナルドに駆け込んだりと大錯乱、野毛屋に到着したのは6時半の事だった。

俺の姿を認めると社長は若干安堵したように、
「昨日結構釣れたのに今日はイカのお客さんまだ2人っきゃ来てないんですよ。」
「・・・。」
「まだ大艫も空いてますよ。」
「・・・・・・・・・あのお、俺今日フグなんです。」
「えええっ!?」
というショート・コントが展開された。

更に受付を済ませていると背後から中乗りエストシ君(仮名)が
「え?今日フグなの?」とビックリした様子で一言。

極めつけは弊社のアラカン・アングラー・めちゃワルI氏(59)と第一忠丸に乗り込み並んで出船を待っていたら、向かいの船からキャプテン勇治が
「おおい、乗る船間違ってるぞ!」
と大声。
環境が変わるとかくも面白く、人事異動後の弊社の変化が楽しみになってきた。

結局客2名とガラガラのアオリ船を尻目に総勢24だか25人もの客を満載して定時に出港した第一忠丸は、30分程爆走した後に大貫沖のポイントに到着。
走行中に客達は餌の冷凍甘海老の殻を剥くわけだが、これが冷たいは手が臭くなるはでスマート・ルアー・マン(ネタですよ、ネタ)の俺には酷な作業、早くも心が若干折れ気味だ。

現着して釣り開始の合図があったがそこはドシロウトの俺、まずはキャプテン勇治の長男、健太郎船長から餌の付け方と釣り方のレクチャーを直々に受ける。
俺の真新しいロッドを見て、
「初めてなのに健流買ってきてくれたの?」
と嬉しそうな船長。エモーショナルな性格と面倒見の良さも父親譲りで好印象だ。
一通り教わっていざ実釣開始!

・・・。

釣れない。

・・・。

アタリもない。

・・・。

もしかしたらアタリはあるのかもしれないが、全く感知できない。

アンカーを下ろし、エンジンも切った船は静かだ。
海もベタ凪でとても静か。
そしてついでに魚までもが静かだ。
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海はベタ凪、陽気はポカポカ、しかし・・・

予定では隣に鎮座ましますめちゃワル氏がぽんぽ~んと釣り上げ、俺がそれに倣うという図式を描いていたのだが、めちゃワル氏も大層苦労していらっしゃる。

同じしゃくりとは言え体力勝負のアオリ式ビシバシしゃくりとは好対照、ソフトに30センチしゃくり、ゆっくり仕掛けを着底させるという繊細な釣りだ。
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10時を過ぎた頃から落と潮が効き始めた。
すると満員の船上では大オマツリ祭が始まったのだった!
この日は長潮、潮流れは緩いはずなのにこの大惨事、大潮周りでこの人数だったらどのような恐ろしい事態に陥るのだろうか?想像しただけで戦慄が走る。

めちゃワル氏1尾。
それが正午時点での我々の釣果だった。

西日が左舷側を照らし始めると、俺はだんだん焦り始めた。
ルアー・フィッシングを愛する俺が餌釣りを解禁したのは旨い魚を食す為。そして「フグ食わせろ」という戸籍上の配偶者のリクエストを受けてのことでもある。
なんとしてでも手ぶらで帰る訳には行かないのだ。

釣れない時は何かを変えるのがセオリー。

俺は餌を変えるついでにカットウも派手なメタリック・レッドのものに変えてみた。

新しい仕掛けを投下して同じようにしゃくっていたら、突然
“グンッ!”
“なんかキタアアアアア~~~!”
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人生初のグーフー・ゲット!
グフ。グフフフフ。

“アタリ”というより“違和感”、そんな微妙な変化を感じてアワセたらヒット、これは何か掴んだかな?と思ったのだが・・・。


【釣果】
7時15分出船、15時沖あがり
ショウサイフグ2尾

【タックル】
ロッド:マニアス・フグリミテッド170
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号

【本日の総括】
う~ん、難しい。
全体の釣果0~16尾の船中106尾、絶対数は賑やかだけど24~5人での釣果だから“釣れた”って感じでもない。めちゃワル氏も2尾と振るわなかったし、決して楽な日並ではなかったようで、まあ釣れて良かったってところか。
錨を下ろす釣りだから釣座は関係なかろうと思っていたのにツ抜けは何故か潮先のトモ側に集中したのも不思議な感じ。やってる間は単調な釣りだなあと思っていたけど、なんか奥が深そうだ。

獲物は沖上がり時に船長が捌いてくれるのだが、その際に「1匹目釣るとこ見てたけど誘いもアワセもバッチリ、竿も使いこなせてたよ。」と嬉しいお言葉を頂いた。そんなこと言われたらまたやりたくなっちゃうじゃん!
客を叱って伸ばすタイプの父と客を褒めて伸ばすタイプの息子。
方法は逆でも目的は同じ、やはり釣りにアツイDNAを感じるなあ。

さて、肝心の味だが、これが予想以上に美味。テッサ、ブツ刺、湯引きで頂いたがプリプリとした食感は正にフグそのもの(当たり前か・・・)、トラフグに比べると身が水っぽいとの記載もあったけど、そんな事はなかったようだ。
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養殖モノの高級魚より天然モノの非高級魚の方が旨いこともある。

次はタイトル通りベーナー食えるぐらいいっぱい釣りたいし、5月には白子の時期もやってくる。
ますます野毛屋に通わねばなるまい!