釣りロマンを求めて・・・7/5野毛屋

人気テレビ番組のタイトルをはからずもパクってしまたっが、ロマンを求めなきゃこんな釣りやってらんないでしょう!

という訳で2戦連続ボウズ中のタイラバ、三度目の挑戦は金沢八景・野毛屋。基本的にエビ餌を使うテンヤ真鯛の船だけどラバージグもOK。
なにしろ本命を釣っていないのだから、ここはタイラバ専門船に乗って釣り方そのものを学習するべきなのかもそれないけど、自己流でも何でもいいから経験値を上げたいことに加え、敬愛するキャプテン勇治の船で人生初の真鯛を釣り上げるっていうのもオツだなあ・・・などという思いもちょっとあったりする。

で、当日。

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出船前の風景。期待と不安。

12人の客に加え、船長と助手も釣りに加わり総勢14名が竿を出す盛況ぶり、中潮なのに潮の流れは驚く程早く、大いに期待したのだったが………。

・・・。

・・・。

釣れない。

外道すら釣れない。

いや、アタリすらない!


朝のうちは賑やかだったキャプテン勇治も次第に口数が減り、野村監督をも凌駕するようなボヤキを連発するように。

やはり客にとっても船頭にとっても精神的に非常に厳しい釣りだ。だれもかれもが財津一郎状態に陥っている!

船中ゼロのまま午後に突入。マズイ。非常にマズイ。ヒジョーニキビシイー!

暫くすると80gのラバージグがかっ飛ぶような猛烈な上潮が流れはじめた。底が取りづらいけど、期待できるのでは!?

ジグを100gに交換してしっかりボトムを取り、丁寧なリトリーブを心掛ける。なにしろ小潮周りでは休船しちゃう野毛屋のエビタイ船、ということは潮の流れと釣果は大いに関係がある訳で、今が千載一遇のチャンスに違いないと踏んだのだ!

なにやら反対の右舷が騒がしいと思ったら、テンヤの客が本命をキャッチした!
サイズは0.7kgと小型ながらも、俺が乗船した船で初めて見る真鯛!俄然やる気が出てきた!

・・・。

しかしこの1枚を見ただけでかっ飛び上潮タイムは終了。流れはとろくなり、沖揚がりの時間を迎えた。

だが船長の頭に“帰港”の二文字はないようで、沖へ向かって無言で突っ走る。

この“沖揚がり時間を無視して獲物と釣りロマンを求めて走り回るキャプテン勇治”の姿はある意味見慣れた光景とも言える。
彼がHPに「全力で頑張りますのでよろしく。」とコメントしているのは誇張でもなんでもない事実なのだ。本当に本気で全力投球、この男気こそが多くの客を惹きつけるのだろうし、かくいう俺もそんな魅力にとりつかれた客の一人だ。

魚からのコンタクトが皆無に等しい長期戦、何人かの客は飽きてしまって、或いは諦めてしまって竿を置いて寝ていたりする。
全ての客が公平に乗船料を払ってこの船に乗っている訳だから人それぞれ楽しみ方があって当然だし、そのような姿勢を否定するつもりもない。でも船長が全力で頑張っているのだから、客も全力で頑張ってその心意気応えないと!と俺は思ってしまうのだ。

・・・。

しかし言うまでもないことだが精神論で魚は釣れない。

・・・。

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東京湾名物、過積載の貨物船。

「おおおお、キテルる!キテるぞおお!」
沈黙を破るキャプテン勇治の絶叫!
周りを見回すとミヨシのタイラバ客のロッドが凄い勢いで絞りこまれているじゃないか!大物だ!大物に違いない!

キャプテンの助手がネットを構えて待っているのに魚は走り回り一向に上がってこない。

客以上に大興奮していたキャプテン勇治、魚探の反応を見ながら首を傾げた。
「おかしいな、この引き方。タイじゃなくてサメだな。」
この一言で固唾を飲んで見守っていた俺のテンションも下がり気味。しかしサメって臭いに寄って来るもんだと思ってたけど、ラバージグにも食いつくのかね?

既に沖揚がり時刻は過ぎている。俺も残り少ないチャンスをモノにするべく釣り再開。
他人のサメに関わっているヒマはないのだ。

すると、

「サメじゃない!タイだ!でけえええ!」
再び静寂を切り裂くキャプテンの咆哮!海面に巨大な魚が姿を現したがその色は確かに赤い。
「4kgはゆうに超えてるぞ!」
量りを持って釣り上げられた魚に近づくとその場で計量開始!「おお!5.6kgだ!5.6kgもあるぞ!ヒョー!ヒャッホー!ウオオオオオ!
奇声を上げて狂喜乱舞するキャプテン勇治の姿は獲物を釣り上げた当のアングラーより何倍も何十倍も嬉しそうだ!こちらの顔もついつい綻んでしまうが、同時になんとなく胸を打つ風景でもある。

これにてこの日のキャプテン勇治劇場(激情)は終了。
三度目の正直、なんとしても本命を釣り上げたかったけど、外道を含めてアタリすらない非常に厳しい結果に終わった。

次こそは!


【釣果】
7時20分出船、15時半沖揚がり

【タックル】
ロッド:ZENITH零式 LIGHT G-TOP L 
リール:シマノ カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1号、ハリス:フロロ5号

【本日の総括】
初めて目にした5.6kgの真鯛は、タイというより怪魚。気持ち悪いくらいにでかかった。
長くて激しいファイトも見ていてスリリング、ああ、俺も釣りたい!

多くの客はボウズだったけど、諦める事なく粘って粘って頑張った船長の船で最後の最後に大物が上がったことは非常に喜ばしい。
釣り上げたのが俺だったら言うことなかったんだけどね。

未だ本命の型すら見ることができないタイラバ、本当に厳しい釣りだ。
でも苦労(と投資額)が大きいので、釣れた時の喜びもそれに比例して大きいに違いない。

釣りロマンを求めて、タイラバ船に乗り続けよう。

まずは1枚タイを釣りタイ。
そして似て非なる目標、このエモーショナルで最高な第一忠丸で絶対にタイを釣り上げる!

俺には二つの目標ができたのだった。

タイラバ編 つづく