2009年釣初め

世間の大方の企業と同じように、俺の勤める会社の仕事初めは1月5日だった。生憎と5日は全国的に月曜日だった為、休み明けいきなり月~金の5日間フル回転で働かざるを得なかった訳だが、この5日が長かったのなんのって!恐らく多くの人が同じような気持ちだったのだろう、周りを見渡すと間近に控えた三連休にイベントを設定してこの難局を乗り切ろうという動きが活発だったように思う。ご多分に漏れず我等がバンドの新年初スタジオも1月11日(日)に設定されていた訳だが、弊社が誇る二大アラカン(アラウンド還暦)アングラーからも代わる代わる釣りに誘われた。『釣初めは管釣りで』ってなんとなくと思っていたのだが、船に乗って旬のカワハギを狙うのも悪くない。という訳で1月10日(土)に久里浜の巳之助丸にチョイワルH氏(61)とメチャワルI氏(57)と一緒に行くことになった。

当日は目覚ましが鳴る前の4時半に目が醒めてしまい、いつもより若干早い5時15分頃出発したのだが結果的にこれが裏目に出た。
横浜横須賀道路の終点、佐原ICを降りたところで何の気無しに携帯を見ると、着信があったことを告げるライトが点滅している。車を停めて確認するとチョイワル氏から三度の着信と一通のメールが・・・。嫌な予感がしつつメールを開くと、「強風の為に出船中止」と衝撃の内容が!呆然としていたらチョイワル氏から電話がかかってきた。いわく、出発前に船宿に「三人で行くからヨロシク」と電話をかけたところ、休船を告げられたというのだ。
そんなわけで佐原の吉野家で牛丼を食って哀愁Uターン。管釣りタックルを積んでいればこのまま東名乗って開成かすそのに行くことも出来るのに、勿論カワハギタックルしか持って来てない訳で、俺に残された選択は帰宅しかなかったのだ。


そして連休最終日の12日。管釣り行くと帰りの東名の大渋滞は経験的に言って目に見えているので、“午後から風が強まる”という天気予報は若干気になったものの俺は大晦日に続き単独でエギング船に乗ることにした。

二日前に無意味に爆走したルートを走っていると、イヤガオウデモキブンガワルクナル。この気分を払拭する為にも、今日の俺は何としてでも釣らなければならないのだ。

船宿に着いてみれば、立錐の余地もないほどの混雑。そして船に乗ってみれば俺が陣取る右舷に13人、反対の左舷には12人。前回は総勢12人での出船だったのに、倍以上の25人も乗っているじゃないか!左右のアングラーとの間隔も短く、頻発するであろうオマツリを思って早くも気分は萎え気味だ。更に俺の釣座はトモから数えて6番目。完璧にど真ん中という不利な位置、はっきり言って俺はボウズを覚悟した。
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朝日を浴びながら出船。釣れないかもしれないがとりあえず気分爽快だ。

30分程走り観音崎沖のポイントに到着すると、何故かウネリが酷い。そして程なく強風が吹きはじめ、海は大荒れの様相を呈してきた。
ただでさえシビアな釣りだが、こうなるともう拷問か罰ゲームか蟹工船状態。それでも俺はイカを釣り上げる為、そして自分が腐ったミカンじゃないことを証明する為にエギをしゃくり続けた。
そして開始して僅か1時間後の9時頃、3.5mの俺のロッドが根元から満月のようにしなった!周りから『おお。のった!』の声。そして船長がマイクで「一人乗ってますからね」のアナウンスがあり、船中の注目を浴びた。
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釣り上げたのは良型のスミイカだ!本命じゃないけどこのイカの刺身も肉厚で甘味もあって美味!外道と呼ぶにはあんまりなターゲットだ!操舵室から船長が顔を出し、「何釣れた?」と問う。「スミイカですね。」と俺が答えると若干がっかりしたように操舵室へ引っ込んだ。彼の頭にはアオリしかないようだ。よし、じゃあアオリも釣ってやろうじゃねえか!
俺が釣ったのは右舷13人中3番目。時間もたっぷりあるし、爆釣の予感がしてきたぜ!

そして・・・。


【釣果】
7時15分出船、14時50分沖あがり
スミイカ 1ハイ


【タックル】
ロッド:マニアス・アオリスペシャル350
リール:カルカッタ・コンクエスト301F
ライン:PE1.5号、ハリス:フロロ6号


【ヒットルアー】
ヨーヅリ ピンクサクラダイ4.0


【本日の総括】
そう、あの一杯のスミイカが全てだった。しかし帰宅してインターネットで確認するとアオリは船中24杯。ヒットは単発でミヨシとトモに集中していたことを思えば、殆どの客は型を見ることが出来なかったのではないか?更に波の高さは実に3mに及び、近隣の釣船は殆ど早上がりしていたようだ。一杯釣れただけ、そして船酔いしなかっただけマシと言えよう。

翌日会社で一緒にカワハギ釣りに行く予定だったアラカン・アングラー達に話しを聞くと、電車組のメチャワルI氏はあの日京急上大岡駅の手前でチョイワル氏からの電話を受けやはり哀愁Uターン。悔しさの余り翌日単独で巳之助丸へ攻撃をしかけ、3枚と撃沈。一方チョイワル氏も翌日単独でエギング船に乗ったもののまさかのボウズ。それぞれが辛い三連休となったようだ。

しかしスミイカ、エンドレスに放出するスミには閉口したが、味は最高だ!
下足は湯引きしてポン酢と柚子こしょうで、身は勿論刺身で頂いたのだが、いずれも絶品!これらを肴に芋焼酎のお湯割をチビチビやれば、旨さ倍増だし海上で芯まで冷え切った身体も温まる!
今日は釣れなかった本命のアオリイカも大型化してきているというし、こりゃ~、やめられませんな。