GOLD MEDALISTは裏切らない…8/11鹿島槍ガーデン

「北島がまた金メダル獲ったってねえ~。」
「へ~、そうなんだ。」
「何、お前知らないの?」
「……。知る訳ねえだろ、俺はその時携帯すら入らない鹿島槍ガーデンにいたんだから!」

そうなのだ。前日の平谷湖釣行の後、俺は長野道松本ICで降り松本~豊科間にある1泊5000円の木賃宿に宿泊、宿近くで九州ラーメンを喰らい(何の期待もしていなかったが意外と美味く、替え玉までした。)近隣のスーパーで特売品のブルゴーニュピノノワール1本とビール2本を買い求め、早々に泥酔し汚いベッドに昏倒した。全ては鹿島槍へ行く為に…。

翌日は4時に起床。シャワーを浴びようとするもお湯が出ねえ!そういえば、チェックインの時「ウチは県のエコ同盟(だっけな?)に加入しているので夜間は入浴できません。」とかなんとか言ってたな…。怒りを押し殺し冷水で顔を洗って濡れタオルで身体を拭く。
そして4時40分、出発。途中コンビニで朝食を買い求め、車中で喰らいつく。
順調にドライブを続け、HPでは7時となっているにも関わらず夏季は6時のオープン時間にも間に合いそうだ。しかし!大町市に突入したあたりから、下腹部を猛烈な痛みが襲う。『こ、こ、これは…紛れもなく便意だ!しかも軟らかめの…。』
大町温泉郷に程近いコンビニに緊急停車、俺はトイレへと駆け込む。鹿島槍ガーデンのお世辞にも綺麗とはいえない便所で大きい方の用を足すのは憚られる。ここで根こそぎ排出してやる!『ふう~~。』数分の後、己の全てを出し切った満足感が俺を支配する。しかし次の瞬間!「ゲ!紙が僅かしかない!」俺は慎重かつ効率的にCLEAN UPし、なんとか事なきを得た。しかし俺が個室を出ると、待ち構えたように一人の男性が個室へと駆け込んでいったのだった。彼も差し迫った状況に置かれていたようだ。しかしたった今君が入ったその個室には1センチたりともトイレット・ペーパーは残っていないのだよ…。彼はその難局をどのように乗り切ったのだろうか?気になりながらも俺は再び鹿島槍に向け車を走らせる。

そして6時丁度、鹿島槍ガーデン到着!先行車は既に5~6台、焦って俺も超特急でタックルの準備を済ませ受付に駆け込む。そして2号池のストリーム側アウトレット脇に釣座を構えさあ開始!と思ったら、リールから大量のラインが放出されている。「?」よく見ると、焦ってセッティングしたあまり、ベールアームにラインを通し忘れていたのだ!『落ち着け!、俺!』スプールから出てしまったラインの処理に手間取り、結局釣りを開始したのは6時20分過ぎであった。

さて、水質は非常にクリア。更に魚影もいつにも増して濃い。しかし殆どの魚は泳ぐことなく1箇所でジッとしており、活性はあまり高くなさそうだ。
俺は村田師の教え通り朝一は光物、スリム・スイマー3.5純銀メッキからスタート。スローに巻いていると大量のトロロ状の藻が絡み付いてくるのが常なのだが、この日はウイードに引っ掛かることはあっても大量の藻に悩まされることはなかった。(なんでだろ?)

光物でローテ。オリエン4.0gPKを使っているときに、はるか遠方からオリエン目掛けて猛スピードで黒い影が追ってきた!
ドンッ!
アワセる間もなくルアーをひったくって反転する魚!ドラグは強烈に鳴り、竿は極限まで絞り込まれる!これこれこれこれ!この引きを求めてここまで来たのだ!
イメージ 1

1尾目から取り込みに苦労するような60センチ級ニジマスをキャッチ!早くも右腕は痛く、息もあがる。
さあ、リリースと思ったら!なんとルアーがほぼ丸呑みされてるじゃないか!プライヤーで針を掴み、慎重にルアーを外す。と、ルアーが外れると同時にゴボッと出血しやがった!力なく腹を上に向け漂うニジマス。俺は再度ネットですくい、村田式人工呼吸を施し必死に介抱。「死ぬな!お前は鹿島槍育ちの強い子だ!頑張れ!」
暫くの後、彼はヨロヨロと泳ぎ始め、沖へと帰って行った。ホッ。

ドンドン行くぜ!と思ったがその後アタリはさっぱり。
次の獲物を仕留めるまで実に1時間以上を要した。
イメージ 2

(あれ?なんか婚姻色が出てね?)

…。

……。

更に2時間経過。

…。

鹿島槍よ、お前もか!

夏が管釣りオフ・シーズンだという事は100も承知している。だから7月以降俺はBIG FIGHT松本、10POUND、パインレイク、平谷湖と貧乏サラリーマンには似つかわしくない“金に糸目をつけない釣行”を立て続けに行い、なんとか楽しい釣りが出来るよう努力してきた。それにも関わらず毎回貧果続きで管釣りに対して冷めそうになってんだYO、俺はYO!心がYO、折れそうなんだYOOOOOOOOO!

イメージ 3
イメージ 4
イメージ 5


あれ?突如連荘。
なんかへのじファイターにブラウンの反応がやたら良く、今までの沈黙が嘘のように20分で3キャッチだ。

プラグはスレるのも早いので、またスプーンに戻す。


イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8


俺、完全復活。朝方足元でバラしてしまったアルビノもキャッチし、俄然ヤル気が。

ふと1号池をみやると、道路の柵を開けて軽トラが入ってきた。これって放流車?今日は月曜だというのにまさかの放流が!?
慌てて1号池へ行くと、既に放流は終わっていたようだが、何故か放流車の脇に社長の姿が。社長立会いでの放流なんて見たことないぞ!イトウか?まさかイトウの大量放流か?
期待に胸を膨らませ、前回1号池ブラウン大放流作戦の時に大ブレイクした鉄板ルアー、オリエン4gRGをチョイス、キャスト開始!すると数投の後に…フワッ、シュッ、ゴン!(解説:ライン弛む、アワセ、ヒット!)キタ~~~~!凄まじい、いや本当に凄まじい引きだ!
イメージ 9

GOOD SIZE RAINBOW!
すると放流車の方から社長がポテポテとした足取りでやって来た。
「今釣ってた魚、種類何?」社長の由利徹系脱力トークに俺も和む。「良い型のニジマスでしたよ。」
「な~んだ、ニジマスか~。今さ、60センチ級の岩魚100本入れたんだけど、全くルアーを追わないんだよね~。」何?60センチの岩魚が100本ですと!岩魚は最大でも40センチくらいのものしか釣ったことないが、それでもニジマスとは明らかに異なる強烈な引き味に翻弄された記憶がある。60センチ!?絶対に釣りたい!でも岩魚って低水温を好む魚じゃなかったっけ…?流石は鹿島槍というべきか、真夏でも水温はそれ程高くならないってことだな!

…でも案の定と言うべきか、放流された岩魚の活性は高くないようで、全く釣れないし、周りを見渡してもガンガン釣ってる釣り人は皆無だ。
ならばアピールを少し抑えてみようとオリエンの蛍光オレンジにチェンジ。するとラインがすーっと弛んだ…
シュッ、ガン!ジジジジジジ~。『お、重い!』1号池には巨大な岩が沢山沈んでいるので慎重に寄せる。長いファイトとなったが4lbラインのお陰で気持ちに若干の余裕がある。そして苦労の末にネットインした魚は…。




















イメージ 10

どうこれ、すごくな~い?

イメージ 11

フックも一撃でこの変形ぶり。すごくな~い?
す・ご・く・な~い?
ねえねえ、すんごくなああ~い?
以上、自慢終了。でも最高だ、鹿島槍。朝方管釣りとの距離を考え始めていたことが嘘のように、心底楽しんでいる俺。

曲がったフックを交換し、引き続き投げる投げる投げる。すると。またキタ!今度こそ岩魚か?大イワナなのか~!?ブチッ!
……。針が変形するほど強烈な負荷が掛かったんだから、スナップも結びなおしておくべきだったよ。いくら4lbだって、切れるよな…。

放流があったとはいえ2号池に比べると圧倒的に魚影の薄い1号池、気が付けば釣り人もまばらに。
でも大物を釣ってある程度の満足感を得ていた俺は。大イワナ1本に狙いを定め、1号池を攻め続けたのだった。

…。

それが誤りだったとは思わないが、確かにあまり釣れなかったな…。

イメージ 12

イメージ 13

イメージ 14



イメージ 15

↑この1尾は本日最大のブラウンで、ネットに収まりきらず取り込みに非常に苦労したのだが、この写真からは大きさがまるで伝わらない哀しい1枚。

そしてこの後釣った魚はまたまたルアーを丸呑み、プライヤーでルアーを外したのだが…。しっかり看病もしたのだが……。弱々しく泳ぎだしたのでやれやれと思っていたら、そのまま水底に頭を激突し、そのまま180度転回、絶命してしまった。

次に掛かった魚はやけに走るので、スレ掛かりかと思ったが、近くに寄せてみるとルアーがドコにもない。『!!!』完全に丸呑みされてるぞ!と思った瞬間歯でラインが切れたようでブレイクした。
時刻も16時を過ぎており、スナップを結び直す気がおきず、これを機に岩魚を釣り上げないまま納竿とした。


【釣果】
6:20~16:00
16尾(ニジマス9、アルビノ1、ブラウン6)


【タックル】
ロッド:レスターファイン X-STREAM 63SUL
リール:05TWIN POWER 1000PGS
ライン:GT-Rトラウト・ゴールド 4lb


【ヒット・ルアー】
オリエン4g(RG、PK、SH、蛍光オレンジ、蛍光イエロー、蛍光ピンク、消マホガン)、鱒玄人2.9勝利ブラウン、へのじファイター


【ロスト・ルアー】
オリエン4g(蛍光オレンジ、消マホガン)


【本日の総括】
本文中のフレーズ「鹿島槍よ、お前もか!」はあまりに釣れない時間帯に浮かんできたブログの記事タイトルだ。結果、そのような事態を回避できて本当に良かった。

遠征や初めてのエリア訪問等、色々試してみたここのところの釣りライフだったが、やはり鹿島槍ガーデンこそが俺にとって最高の釣り場であることを再認識した。ホームと呼ぶには遠すぎるところが辛いが、今後も折に触れて通いたいと思う。

さて8/9の名古屋出張から始まり、途中予想外の17キロの渋滞を乗り越えて鹿島槍から帰宅した今回のツアー、肉体的にも相当きつかったけれど、一番大変だったのは3日で900キロ以上走らされた俺の車だったろう。
なにしろ釣りにはまる2~3年前までは、俺は年間3000キロ程度しか車に乗っていなかったのだから、3日で900キロという走行距離は我ながら信じられないものがある。
お疲れさん!