汚水、轟音、そして毛虫…7/19 10POUND

(承前)
BIG FIGHT松本を後にした俺は、札幌とも千歳空港とも違う方向へと車を走らせる。
目指したのは同じ大滝区にある「ホロホロ山荘」という名のボロボロの山荘だ。(そしてこれはつまらない駄洒落ではなくれっきとした客観的事実だ。俺が泊まった部屋は風呂なしトイレ共同の部屋だったので、用を足す度に薄暗い廊下を歩いて共同便所へ行く必要がある。“共同便所”なわけだから、同じフロアに宿泊している客と当然共用の厠なわけだ。しかし恐ろしいことにこの便所、大便所の扉が変形しており閉まらないのだ。カギがかからないなどというある種想定し得る生易しい問題以前に、扉そのものが閉まらねえんだよ!俺はこの日人生における最短大便排泄時間の記録を打ち立てたのだった。更に俺が宿泊したのは2階だったのだが、階段は更に上へと続いている。しかし階段に“立入禁止”の立て札がかかっており、上へは行けないようになっている。興味本位で立て札を無視し途中までのぞくと、ビリビリに破けた壁紙、掃除など何年もしてないような荒れ放題の廃墟的光景が広がっており、恐ろしくて直ぐに引き返した。しかしこの宿、古いながらも非情に質の良い源泉かけ流しの巨大温泉浴場があり、また食事は朝も夜もバイキング形式なのだがなかなか美味。更にペットと泊まれる部屋なんかも用意されていてなかなか繁盛していた。ハイシーズンの北海道の温泉宿で1泊2食付8000円はかなり魅力的だと言えよう。機会があればまた行ってみたいと思わないでもない。但しその場合は部屋にトイレが完備された新館にするが…。)
この日宿泊し、翌日の千歳発最終便の時間までもう一日釣りを楽しむ計画なのだ。

翌朝、俺は迷いに迷っていた。朝風呂に浸かりながら迷い、朝食を摂りながら迷い、チェックアウトして車に荷を積む時になってようやく行き先を決断した。
昨日のリベンジにBIG FIGHT再訪へ気持ちが傾きながらも、当初の予定通り到着したのは恵庭市にある10POUND。実はここは昨年夏に引き続き2度目のエリアなのだが、前回訪問時には北海道に予想外の台風が上陸、暴風と豪雨で全く釣りにならず、ほうほうの体で退散したので“綺麗なエリア”ということ意外殆ど記憶に残っていないのだ。

カーナビの誘導通りに車を走らせたらゴルフ・コースに着いてしまうというプチ・ハプニングもありつつ、9時半頃10POUND到着。レストラン併設のログハウス風の綺麗な建物で受付を済ませいざ戦場へ!
ポンドは3面あるが一番手前の池は餌釣用。まずは最奥にして最大の1号池へ釣座を構えた。

さて、周りを深い森に囲まれ更には野生動物の糞まで落ちていてなかなか雰囲気のあるエリア。どこかしら白河FSに似ている気がする。しかしこの池の水質は大自然に囲まれた北海道には似つかわしくない色をしていたのだった。ハッキリ言えば開成をも上回る強烈な濁りで魚影が全く確認できないのだ。更に消防車に搭載されているような武骨なホースで池に水が供給されており、ただならぬ雰囲気。そういえば前日BFMのオバサンが、“今年の北海道は渇水状態が続いており大変だ”というような事を言ってたな。その影響かしら?
とにかく北海道ならではの大自然の中での釣りを満喫したくて来たのだが、妙な舞台裏を目撃してしまったような微妙な感覚を覚え、若干萎えた事は否めない。

先行者は10名程度、ルアーとフライ半々という感じだが、見たところ皆さん苦戦しているようだ。

そして困った問題がもうひとつ。どうも近くに自衛隊の演習場があるようで、断続的に大砲が発射されるような轟音があたりにこだまするのだ。なんの前触れもなく突如静寂を切り裂く轟音。軍事マニアなら興奮しちゃうのかもしれないがこれが実に心臓に悪く、そして集中力を削がれる。そのうえ釣れないとなれば、イライラするのは必然というものだ。

更に更に、この日のファースト・フィッシュをノットのすっぽ抜けでルアーごとバラシ、完全に意気消沈。(前日に続く同じミス…。)

更に更に更に!なんか首筋がむずむずするので手を触れると恐ろしいことに毛虫が這っていやがった!!!(ポンドに投げ捨て魚の餌にしてやった…。)


う~ん、ネガティブな事ばかりでもうこれ以上書く気がおきないので、この記事ここまで!


ちなみに大きな魚を釣り上げている人もチラホラいたが、俺に釣れたのは極々普通のサイズのマスだけだった。

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【釣果】
10:00~17:00
7尾(ニジマス

【タックル】
ロッド:TAPER&SHAPE GAAS-66XULT
リール:TWINPOWER 1000PGS
ライン:GT-Rトラウトゴールド 4.0lb

【ヒット・ルアー】
NOA2.6(サンスイオリカラ)、鱒玄人2.9(ラッシュ・クロゴキ、満月蛍)、オリエン4g(蛍光オレンジ)、ココニョロ、リッジ56s

【ロスト・ルアー】
オリエン4g(パールホワイト、消人肌)

【本日の総括】
美味い食事、綺麗なトイレ、整った足場、設備面は申し分ないが、言ってみれば極普通のエリアだ。
いや、こういう言い方はフェアではないな。とにかくBIG FIGHT松本が普通じゃなさ過ぎるのだ!!!だってメシは食えない、飲み物すら売ってない、トイレは屋外、自然は手つかずで足場はニーブーツが無ければ移動すらままならない、放流場面は見たことないが自然繁殖している半ネイティブの魚がウヨウヨしている、そしてひとたび大物がヒットすれば主導権は完全に魚に奪われなす術もない?b>SO FUCKIN' SPECIAL!C)RADIOHEAD

飛行機に乗って1000キロを超える距離を旅し、更にレンタカーを借りねばならない北海道での釣行は、手間も金もそれなりにかかる。それでも行くからには非日常を味わえるスペシャルを求めてしまうのは俺にとっては当然のことなのだ。(そう、まるで海外旅行のように)
申し訳ない、10POUND、君には何の落ち度もない。いや、むしろ身近にあれば通っちゃうエリアだよ、間違いなく。

でも、この記事書きながらも『あ~、やはりあの時BIG FIGHT松本に行っておけばよかった…。』と思っちゃうんだよ、俺は。
投下予算に見合う満足を得ることが出来なかった今回の北海道釣行2DAYS。
必ずまた来る。

I'LL BE BACK!!!