ワレミタビキタノダイチニタテリ…7/18BIG FIGHT松本

7/17、9ヶ月ぶりに札幌出張が入った。

ということであとは当然の如く9ヶ月ぶりにレンタカーを予約し、9ヶ月ぶりに美笛峠を越え、9ヶ月ぶりに国道276号線を爆走し、9ヶ月ぶりに大滝を目指す。目的地は勿論、伝説の管理釣り場“BIG FIGHT松本”だ!今春新たに2つの池がオープンして更に巨大になった新生BIG FIGHT松本はいかに!?

途中食料を買い込もうと“道の駅”に立ち寄る。が、時間が早くてまだ営業していないじゃないか!!!
『……。』今朝は5時に起きたので当然何も口にしていない。そればかりか前夜夕食をとったのが6時と非常に早かった為、既にお腹が鳴ってます!
飲み物の自販機すらないBIG FIGHT松本、とりあえずお茶のボトルのみ自販機で買い出発。まあ仕方ない。こうなったらダイエットを兼ねて空腹の限界まで釣ってやる!

7時半、目指すBIG FIGHT松本に到着。若干分り難い道も3度目ともなれば余裕だ。
車を停めタックルの準備をしていると背後から「おはようございます~。」という確かに聞き覚えのある声が。こ、この声の主は…出た!BIG FIGHTのおばさんだ!!懐かしさとともに、またこの地に立つことが出来たという喜びが沸々と湧き上がる。「あなた初めて?」とおばさん。「いいえ、三度目です。」と得意気に会員券を差し出す俺。俺の会員券をシゲシゲと眺めていたおばさんは、次の瞬間信じられない恐るべき言葉を口にしたのだった…。
「あなたブログやってるでしょ!あなたのブログ見ましたよ!」『!!!!!!!!!!!!!』思いも寄らぬ一言に驚愕し、タックルを準備する手を止め呆然とする俺を尻目に、「うん、間違いないわ。あなたのブログ見たわよ。」と追い討ちを叩き込むおばさん。かろうじて俺も「確かにブログはやってますけど1日10人も見てないような細々とやってるブログですよ。なんかの間違いじゃない?」と応戦。するとおばさんはにこりともせず、「娘が偶然発見したんですけど、細かい描写で、ウチにきたのがきっかけでブログを始めたとかなんとか書いてたわよね。ブログに日付が書いてあったからその日の来場者名簿を探したんですよ。」「……。」-すいません。それ、確かに俺です…。やっべえ~、俺何書いたっけ?後悔と恥ずかしさに苛まれながら衰えた脳をフル回転させ必死に記憶を辿る俺。野外便所の事を面白おかしく書いちゃったな、おばさんをネタにしちまったな、う~ん、う~ん、でもそれ以上は思い出せない。
すると、「ルアーのチェックをしますのでとりあえず来て下さい。」と小屋の方へとしょっ引かれた俺。気分はもうドナドナだ。
俺のルアーをチェックしながらおばさんは「最近は道内でもバベルを使う人が増えちゃってね~。ウチはバベルは今のところ禁止してないんですけど、フロント・フックだけは禁止してるんですよ。あれは魚が飲み込みやすいし、飲んだ魚は100%死んじゃうんですよ。」と愚痴のようなことをこぼす。『安心してくれ給えおばさん、俺もそのようなセコイ釣りは大嫌いなのだよ。でもスティックとペレスプはこっそり忍ばせているがな。ハッハッハッ。』と言ってやりたかったところだが、ブログ・ショックが尾を引き先生に叱られている小学生よろしく無言でうな垂れているだけの俺。いや、ボク。
「そうそう、今草刈りを頼んでるんですけどまだ業者が来てくれなくて、虫がすごいのよ。あなた虫除け持ってる?」当然!とばかりに俺は前日札幌のドラッグストアで買い求めた“フマキラーどこでもベープ電池式を”を自慢げに差し出す。するとおばさんは「こんなもの何の役にも立ちませんよ。」と虫嫌いの俺を恐怖のズンドコへ突き落とす非情の一言。しかし続けざまに「ちょっと待ってて。」と携帯用の蚊取り線香を俺に持たせてくれた上にスプレー式の虫除けまで貸してくれた。「普段はこんなサービスしないんですけどね。ブログのお礼。あんなにも大絶賛して下さって、ホントありがとうね~。」『……俺の記事、セーフ。』良かった。本当に良かった。ひょっとして気分を害してしまったのではないかと危惧した俺の記事に、むしろ喜んで貰えていたとは!新池へ向かおうとする俺をおばさんは止め、下の池は午後になっても活性が落ちにくいので、上から攻めた方が良いとの助言。俺はこの日の為に用意したコロンビア社のニーブーツに履き替えると、おばさんの助言に従い4号池へと向かった。

さて、この景色すごくな~い?(王様風に)
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最奥に滝のような流れ込みが見え、対岸は原生林。この自然そのままの池がBIG FIGHTの4号池だ!どうだ!管釣りには見えないだろ!すげえだろ!最高だろ!
水質は前日の豪雨の影響か、やや濁りが入っている。俺はとりあえずパイロット・ルアーのNOA2.6サンスイ・オリカラからスタート。広大なこのBIG FIGHT松本で、先行者は僅かに1名。ほぼ貸切状態なので180度の広角に探っていく。ライズは殆ど見られず、タナは若干下とみてカウント3~5程度のレンジを丁寧にトレース。すると程無くラインが張った!しかししっかりとアワセを入れたつもりだったのだが、ファイトの途中でフックが外れてしまった。
気を取り直してNOA2.6モカブラウンにルアーをチェンジして再び中層を探る。しばらくしてまたラインが張ったので素早くアワセるも、こいつもバラしてしまった…。う~む。C&Rが徹底されているBIG FIGHT松本(長いから以下BFMと略す)、魚の警戒心が高いようだ。ということは、鹿島槍同様ノセ重視のグラス・ロッドより張りのあるカーボンSULが向いているのか?しかし、折角北海道まで持って来たこのTAPER&SHAPEのグラスウェイでどうしても大物を釣りたい!

釣れないまま時間だけが過ぎていく。しかし東京に比べ圧倒的に快適な気候、耳に入るは野鳥のさえずりと水の流れる音だけ。会社の愚民どもがあくせく働いているこの日この時この瞬間に、俺は大自然に囲まれてゆったり釣りを楽しむ別世界。釣れなくとも気分が悪かろうはずがない。

NOA2.6ブラオレに変えて更に探り続ける。するとまたしてもラインが張った!俺はグラス・ロッドの特性を生かすべくすぐにアワセず一呼吸置いてリールに重みが伝わったところでシュパ!グンと絞り込まれるロッド、激しくなりまくるドラグ!キタ~~~~~~~~~~~~~~~~~ようやく味わえたよこの引き味!「おおお!」とか「すげえええ!」とか早くも独り言変態状態と化す俺。しかし唐突に“プチン!”…。え?切れたの?4lbラインが切れちゃったの?
しかし回収したラインの先端をよくよく見れば、ノットのすっぽ抜けでした。いくら最近釣りに行く回数が減っているとは言え初歩的なミス、しかも痛恨のミスだ。
今度はしっかりとダブルクリンチノットを結び、手で引っ張って状態を確認。うん、バッチリだ。
今のヒット・ルアーと似た配色は無いかな~とワレットを探ると、下駄2.5オレンジカモが目に付いたのでチョイス。スローに巻いてたまにトゥイッチを入れて誘う。すると再び“ゴツン!”という衝撃。更に先程以上に唸りを上げるドラグ。「デカイ!」独り言というよりは絶叫みないな声をあげちゃってファイト開始!4lbラインということで気持ち強めに設定してあるはずのドラグが全く鳴り止まない!魚は左へ左へと走る。巻いても巻いても寄ってこないので俺も左方向へジリジリと移動。長いファイトになりそうだ!身をくねらす魚がチラチラ見える。本当にでかそうだ!またまた魚が激しくヘッド・シェイクをするが、この竿をその衝撃を上手く吸収していなす。そして魚が再度暴走を開始した直後、“ブチッ!”
「……。」
呆然とする俺。なんで?なんで~?
ラインを回収してみると切断面から3センチくらいがざらざらに。これはいわゆる根擦れって奴か!魚の野郎、岩の裏側に回りこんでラインを切りやがった!水が濁っていたせいで俺は全く水中の岩の存在に気が付いていなかったのだ!
負けた…完敗だ…。本当に手強いBFMの魚たち。次は絶対に釣り上げる!

ラインを結び直し、先程アタリのあったNOA2.6モカブラウン再び投入。キャスト開始。

…。あれ?竿先がなんかピクピク動いている。ルアーがどうかなったかなと回収してみれば、NOA2.6の針をしっかり咥える体長10センチにも満たない稚魚が喰らいついていた!思いもかけない獲物に苦笑がもれる。
釣果に加えていいものか悩んだが、小さくともこの池で生まれ育ったれっきとしたトラウトだし、しかもきちんとルアーにアタックして口にフッキングしているんだから、獲物としてカウントすることに。しかし、カメラを構えた途端、ネットの網目の隙間からツルッと落っこち、池へと帰ってしまった。ホントに小さいな~。

ルアーをこまめに変えないと見切られてしまうようなので、とにかく色々試す。
NOA2.6サンスイオリカラを使っていた時に待望のアタリが!ワンテンポ置いてアワセを入れるとガッチリフッキング!これまた暴走系トラウトだ!
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サイズは40センチ程度なのだが、凄まじく引きが強い。尾びれが本当に綺麗で大きいので、サイズからは想像も出来ないようなファイトを味わえるのだ!


しかし物語はここまで。

この後3号池、5号池、新しいポンドを攻めるも、大きな魚は釣れなかった。
納竿しようとする俺にご主人が「日没まで粘れば違う種類の魚が釣れるよ!」ともう少し釣りを続けるよう勧めてくれたのだが、空腹も限界、17時に終了した。

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【釣果】
8:00~17:00
9尾(ニジマス4、稚魚5)

【タックル】
ロッド:TAPER&SHAPE GAAS-66XULT
リール:TWINPOWER 1000PGS
ライン:GT-Rトラウトゴールド 4.0lb

【ヒット・ルアー】
NOA2.6(サンスイオリカラ、モカマンジャロ)、鱒玄人2.9(ラッシュ・クロゴキ、オリーブ蛍)、オリエン4g(消人肌、SH)、ココニョロ、丸湖2.5オリーブ

【本日の総括】
朝方に立て続けに大物を逃がし、最終的にこの貧果。口惜しくないといえば嘘になる。しかし宿を出発して北海道的雄大な景色を眺めながらのドライブから既に興奮、更に他の管釣りとは完全に異なる雰囲気、とにかく“非日常”を満喫するには最高のシチュエーションだ。
あまり釣れていない俺を見かねてか、おばさん、ご主人、そして娘さんと思しき女性が色々とアドバイスをくれる。娘さんにいたってはわざわざ俺に新しい蚊取り線香を届けてくれた上に、「おばさんが良く釣れるルアーを持っているから、頼んだら貸してくれますよ。」…。世知辛いTOKIOで生活している俺には、何と言って反応してよいのかわからない程人情に溢れた親切さだ。でもお気持ちは有難いが、気持ちだけ受け取り俺はルアーなど借りない。だって、俺は俺のルアーで釣りたいし、もっと言えば俺の好きな、俺が釣りたいルアーで釣りたいのだ。
同情を誘うほど俺が下手糞だったのかもしれないが、俺は俺でちゃんと楽しんでましたよ。
次回はご一家が「もう止めて!」と心の中で思うほど釣りまくってやる!

一家全員に見送られながら、俺もレンタカーの窓を開け手など振りつつBIG FIGHT松本を後にした。
I'LL BE BACK!