COLD FEELING…1/19すそのフィッシングパーク

ハンドルを握る両手に力が入る。
急カーブが連続する東名道足柄峠付近で外気温を示す車の温度計は-3.5℃を示していた。
御殿場IC付近では-3.0℃。肉玉そばを食う為に立ち寄った駒門PAで-2.0℃(寒い上に激混みで立ち食いそばが出てくるまでに10分以上要した)、目的地裾野ICでも-1.5℃と氷点下のまま…。
大丈夫か、コレ?さすがに不安になってきた。

8時5分、目指すすそのFP着。(ソバが中々出て来なかったからオープンに間に合わなかったじゃないか!)温度計は2.5℃。地下水を使用していて年中水温が安定しているというエリアの水、気温との激しい温度差がもたらすのであろう、湯気のような水蒸気がもうもうと立ち込め幻想的な雰囲気だ。
しかもあまりの寒さの為か、土曜日なのに非常に空いている。この瞬間俺は今日の爆釣を予感した。
受付で1日券を購入し、まずは下池へ。先行者はわずかに7人。先週ここで60人を超す人間が竿を振っていたのはやはりとんでもない事態だったなと思い返しつつ、この瞬間俺は今日の爆釣を確信した。

“朝一はシルバーかゴールド!”の村田師匠のお言葉通り、まずはPURE2.0シルバー/ピンクからスタート。
反応がないのでいつものパイロット・スプーンNOA2.6サンスイ・オリカラにチェンジ。レンジを変えつつ探っていくが、なかなかアタリが無い。派手系、地味系、中間色とNOAでローテーション、更にBUX、オリエンと次々ルアーを変えていくも釣れない。人も少なくさほどプレッシャーは掛かっていないはずだが、冷え込んだ気温の影響なのか活性は極端に低いようだ。
再度NOAのサンスイ・オリカラに戻して探る。アクションを入れたその刹那、がつん!と手応え!強い引きをいなして無事にネットイン!ところがコイツが暴れ捲くってルアーを外せない上にラインが身体に巻きついてしまった!似たような状況で水中に一旦戻して処理しようと思ったらラインを切られた事を思い出し、ネットの中で魚体に触れないよう慎重に処理。手こずったが無事に救出しリリース成功!ホッとしたのだが「やべえ!」必死の救助活動に気を取られ、写真撮るのを忘れてた!

気を取り直して再開するも、
「……。」
全く釣れない。魚影は濃いのにアタリすらない。

1時間ほど虚しい戦いを続けていたところに放流車登場!すぐさまルアーをNOA2.6赤金にチェンジして振り捲くる!
ガツン!ライン変化でアワセる暇もなく、ひったくるようなバイト!激しくなるドラグ、1匹目もそうだったけど、すそのの魚は本当に引きが強い!
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サイズ、引き、ともに申し分なし!
さあ、ガンガン行くぜ!と思ったのだが、
「……。」
続かない…。アタリすら全くなく、早くも放流効果終了?
しばらくNOA赤金で粘り、続いて鱒玄人の放流赤金を試すも駄目。困った。

派手系で目についたオリエン4gSHをチョイス、何投かしているとラインが張った!ロッドを跳ね上げアワセを入れるとしっかりフッキング!こいつも引く!
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ネットインしてみれば極普通のサイズだったが、ドラグ鳴り捲りのグッド・ファイトだった。
しかしこのルアーも続かず。色を変えてみようと同消ブラックにチェンジ。すると…
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着水と同時に食ってきた出会い頭の1匹。こいつの引きもかなり強烈だった。
しかしこのルアーでも連発せず。動きとタナは合っているようなので、同消マホガンにチェンジ。しかし何投してもアタリはなく、ルアーを変えようかなとピックアップしようとしたら右から凄い勢いでピックアップ寸前のルアーを引っ手繰る魚が!
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足元で掛かったのでファイトを楽しむことなくネットイン。
しかしこの魚を最後に暗黒の時間帯へ突入してしまった…。

渋い。実に渋い。例えようもなく渋い。この上なく渋い。
周りを見渡してもコンスタントに釣り上げているのは流れ込みに陣取り、バベルのような超マイクロ・スプーンをリフト&フォールしている輩のみで、全体的に苦戦しているようだ。

2時間…。
3時間……。
もう限界だ!
ここまで封印していたペレスプ、満を持して登場!ところがこれでも釣れない!
こうなったら更なる奥の手、ペレスプのカラーローテーション実施!
緑系→茶系→赤とアタリがなく、6種類目のピンクをセレクトして1投目、ラインが張った!
激しくなるドラグ、3lbラインで大丈夫か?というような強烈な引きだったが、無事にネットイン!
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ヒットルアー?だからペレスプですが、何か?

気を良くしてペレスプを投げ続ける。
するとまたまたヒット!“ジジジジジジジジジジジジジジ~~~~~~~~~~~~!”ドラグが鳴りっ放し、スレ掛かりか?ライン・ブレイクが心配だったが構わず強引に巻いていると、なんと!ボ、ボ、ボ、ボクのペレスプにイ、イトウが!ボクのペレスプにイトウが掛かってる!!!笑みを押し殺して一転、慎重に寄せる。あと50センチ、ネットを差し出す。30センチ、20センチ、10センチ、さあ!
『フッ…』突如消える重み。「バレた…………。」なんで~~~~~~~?と悲痛に自問自答してピックアップしたルアーを見ると、ペレスプの極細フックが完全に伸ばされていた。『なんでこんなに弱いフックが標準装備なんだよ!』ルアーに八つ当たりでもしなければ収まらない。

普段だったら絶対そんなことしないのだが、太軸のフックにつけかえて“夢よもう一度”とばかりにペレスプを投げ続ける。しかしイトウのみならずニジマスでさえ俺のペレスプには見向きもしなくなっていた。

再び暗黒の時間に突入。とにかくアタリすらなく、キャスティングも雑になりがち。適当に投げてフェザリングもいい加減になっていたら、激しいバックラッシュを起こしてしまいラインの大幅カットを余儀なくされる。竿を足元に置き、カットしたラインを手に巻きつけてルアーを回収しようとするが、「!」根掛かりしてます…。止む無く強引に引っ張ったら“ブチッ!”とライン・ブレイクしてしまった…。

気が付けば俺の右隣りでは釣り場のスタッフ(2名)がルアー・フィッシングに興じている。ポンドの状態を確認・把握しておくのも大事な仕事の内だろうし、なによりこの釣り場を知り尽くしている人間がどのように釣り上げるのかを見て参考にしたい!未だここで良い目に遭っていない俺はチラチラと観察してしまう。

1時間半くらいかな。2時間はいたかな?
ええ~、スタッフ2名、ボウズで引き揚げて行きました!!!いくらなんでも渋いにも程があるだろ!


スタッフですら釣れないあまりの渋さ故に、本気で『もう帰っちまおうか?』などと考えていたら、本日二度目の放流車が現れた!身を持って渋さを知ったスタッフからの心温まるプレゼントだ!
しかし今回の放流ポイントは俺から遥かに離れた場所。それでも一応NOAの赤金をつけてウブな放流魚を狙う。
5分経過。10分経過。20分経過。30分経過。釣れねえ!!!
赤金に見切りをつけ、午前中放流魚らしき魚を釣ったオリエンSHに変更。40分、50分、そして遂に1時間が経過…。本当に釣れない!!!うっすらと滲む涙(嘘)、完全に手詰まった。
困ったときにはパイロット・ルアーで探りなおしだ。朝一以来のNOA2.6サンスイ・オリカラをチョイス。扇形状にキャストを繰り返し可能な限り広い範囲を探る。真正面にロング・キャストが決まった1投、リトリーブ開始直後に久しぶりのアタリ、ラインがピンと張った!嬉しさ余って思い切りアワセると、“ブチン!”とアワセ切れ…。ううう、久々のアタリが~、大事なルアーがあああ~。(ちなみに今や売っていない俺にとっては超貴重なルアー、買いだめした在庫があと4個で底をつく。)
今にも折れそうな心を必死に繋ぎ、同じ配色のCOMP2.3サンスイ・オリカラで同じような場所を攻める。するとあろうことか沖の杭にルアーを引っ掛けてしまい続けざまにルアーをロストしてしまった…。

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「俺、駄目。」


太宰治が俺に舞い降りてきた。
ラインはバックラッシュをおこし、放流魚すら釣れず、大事なルアーも失くす。仕事は楽しくなく、会社では道化を演じ、家では塞ぎ込む。生ききれず、死にもせず、理不尽な攻撃で埋め尽くされた曲を書く。
これは早急に魚を掛けねば俺が壊れてしまう!
藁にもすがる思いで俺がチョイスしたのは偏愛するALF2.7、カラーは黒。
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まさかの1投目キャッチ!しかも良型・強い引き、信じる者は救われるのか。

しかしこのルアーでも1匹掛けたのみで連発はなし。
黒系を順番に使っていたら、下駄2.5オオツカ・オリカラ・マジョーラでヒット。
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時刻は16時。
ここから夕マズメ突入かと思われたが、この魚を最後にこの日俺の竿がしなることは二度となかった。
夕暮れ時の信頼ルアーも、暗くなってからのグロー・カラーも不発、大いなる「?」を残したまま納竿とした。


【釣果】
8:30~17:30
8匹(ニジマス8匹)

【タックル】
ロッド:TAPER&SHAPE GAAS-66XULT
リール:TWINPOWER 1000PGS
ライン:YGK NITLON GLEN 3lb

【ヒット・ルアー】
NOA2.6(サンスイ・オリカラ、赤金)、オリエン4g(SH、消ブラック、消マホガン)、下駄2.5(オオツカ・オリカラ・マジョーラ)、ペレスプ、ALF2.7(黒)

【ロスト・ルアー】
NOA2.6(サンスイ・オリカラ)、オリエン4g(消オレンジ)、COMP2.3(サンスイ・オリカラ)

【本日の総括】
またもや苦戦、俺の未熟さが露呈した。
8匹しか釣れなかったが、ヒット・ルアーも8種類。最後までカラーもタナも動きも絞り込むことができなかった。
でも釣り場スタッフですら苦戦していた今日のコンディション、決してイージーでは無かったと思われるのが救いと言えなくもない。
前週の異常な状況下にも劣る今日の釣果だけをみれば惨敗と言えるのだろうが、ここの魚の引きの強烈さは麻薬的快感とでもいうべきか、とにかく病みつきになる。帰りの道中では早くも『次こそは!』とリベンジを誓う有様で、釣れない時間帯が長く嫌になっていた記憶よりも、掛かった時の強烈なインパクトが残っていたようだ。
要研究、要再訪!