ネパール放浪記10/27
ナガルコットでヒマラヤを見ることが出来なかった哀しみはじわじわと拡がっていき、遂には猛烈な悔恨の念に変わりつつあった。
カトマンズや近郊の寺院、王宮跡等の歴史的な建築物などには心動かされるものがあるが、カトマンズ中心のカオスには流石に辟易してきた。
やはり人造のものではなくヒマラヤという大自然をこの目に焼き付けない限りはネパールを去ることが出来ない。
私はすがる思いでホテルのスタッフに相談した。
この時期、カトマンズ近郊からクリアなカトマンズを望むことはなかなか難しいのだそうだ。
彼の提案は二つ。
ひとつは小型飛行機に乗りヒマラヤ周辺を遊覧飛行するマウンテンフライト、もうひとつはネパール最大の観光地、ポカラへの日帰り旅行だ。
ポカラは晴天が続いており、連日ヒマラヤを間近に望むことが出来ているらしい。
マウンテンフライトがUS200ドル。ポカラへの日帰り旅行が350ドル。
カトマンズから210km離れたポカラへはバスで7時間もかかる(ネパールの悪路とカトマンズ近郊の渋滞故に)というが、空路なら僅かに25分。
そして空港からチャーターした車に乗り、そのまま観光しながらカトマンズに帰ってくるというコースである。
最近仕事が忙しかったし、慌ただしい旅になるのが嫌だったから今回あえてポカラを外したのだが、ナガルコットの雲のせいで結局はポカラを訪れる羽目となった。
ポカラ行きの飛行機はこんなオモチャのようなプロペラ機。
本当にこれが飛ぶのだろうか?
私は死を覚悟した。
wi-fi観客脆弱につき、つづく。