before/after

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亡くなった知り合い(という言い方では全く足りないのだが)の形見分けで手元にやって来たジャズ・ベース。

ボディ材は鬼セン、三点留めネックジョイント、バインディング付のネック。
出自が全く分からない楽器だが、ネック調整の為に馴染みの工房に持ち込んだ際のスタッフの話によれば、極初期のフェンダー・ジャパンの製品ではないかとのこと。恐らく本家もビビるフジゲン製か?

しかし長らく放置されていたが為か、全く鳴らない。
スタジオで弾いても輪郭のはっきりしないモコモコとした音が鳴るだけで、完全に埋もれてしまう。

仕方がないのでプリアンプでローをカットしハイを上げるという普段と真逆のセッティングで凌ぐも、全く納得が出来ない出音。

そんな訳で大改造、ピックアップをフェンダーUSA製品に換装、配線交換、ポット交換、ついでにボディをラッカー塗装で塗り替える。

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3カ月後、全く別の楽器に生まれ変わった。

形見分けにこんなにも大胆に手を加えて良いものかと躊躇いが無かった訳ではないが、故人もモディファイ好きだったし、徹底的に自分好みに改造して、使いまくる方が供養になると考えたのだ。

しかし鳴らない。
それでも鳴らない。

工房スタッフによると、鬼センは重いけどしっかりと鳴る木材とのこと。
要は長年放置されていたので歌を忘れたカナリヤ状態に陥っているのかもしれない。

この楽器をきちんと鳴らすことが自分の使命と受け止め、頑張って育てていこう。