きんようび
金曜日。
私は思うところあって午後半休を取得し、早退した。
私が社会人としての体面を保つ為に定時まで席に座って自らをすり減らすよりも、私が私で有り続ける努力をするべきことが優先される時もあるのだ。
思えば久しく一人で飲みに行っていない。
早い時間に訪れないと入れない愛する店に行って泥酔しようかと思ったのだが、外は久々の晴天。
私は考えを改め、幾つかの用事を済ませると真っ直ぐ家に帰った。
ハシル。
暮れなずむ多摩川の土手をハシル。
体が軽い。
何処まででも走れそうだ。
走ることは究極の自己内対話だ。
身体と頭が深い次元で結びつく。
しかし6kmを超えたところで頭痛が始まった。
次いで視野がおかしくなった。
「脱水症状」。
私はストイックなランナーではなく、楽しむこと重視のお気楽ジョガーである。
だから油断してました。
こんな短い距離を走るだけでも天候や条件によっては身体に負担をかけてしまうのだ。
またひとつ身体と対話した。
人生は弁証法だ。