初物・・・3/29庄三郎丸

あれもこれもというのが苦手な性分だ。
何かにハマると飽きるまでそれをずっと続けたくなる。

しかし釣りの奥は種目による差異こそあれ基本的に深いもので、釣趣的に馴染まなくなることはあっても飽きるということがあまりない。

釣行回数の多さに比べて出来る種目が極端に少ないのはそんな事情が影響している。


話は変わるがバイオリズムの低迷が続いている。
腰痛の悪化や末梢神経障害に伴う左腕感覚の麻痺という身体の問題、難題山積の仕事上の問題、諸事情で低迷を続けるテンションという精神的な問題、おまけに通い慣れた道で迂闊にも覆面パトごときに捕まるという注意力の散慢。

こういう時期こそ歯を食いしばり前を向いて堪えるべきだ。
空いた時間には好きなことを徹底的に楽しむべきだ。

平塚新港の定宿でスロージギングでキンメやスミヤキが釣れている。
電動リールを所有しない私にとって深場釣りのターゲットは高嶺の花だが、200m以浅の手巻きで狙えるゾーン(と言っても充分深いけど…)で釣れるなら、行ってしまおうではないか!

人生に吹く向かい風の風向きを変えてみたくてジグを買い込みジギング用リールのラインを巻き替えると私は平塚に向かった。

いや、本当は土曜日に行くはずだったのだが金曜夜にアクシデントに次ぐアクシデントに見舞われて断念、止むなく日曜になるという試練を乗り越えての釣行であった。


本当は思い入れ深いイケメン船長操船の22号船に乗りたかったのだが、3隻出しのメダイ五目船(そう、キンメ狙いなのだけど本命はメダイなのだ)のうち17号船のみまだジギンガーがいないとのことで社長の采配で強制17号となった。
カツオ/マグロ船同様、餌釣り船におけるジギンガーの釣座はミヨシのお立ち台のみなのである。

船の出船時刻が近づき、17号船のジギンガーが自分ひとりのみということが判明して内心狼狽した。

スロージギングなど全くの未経験である私は、乗船者にシャクリ方を教わろうと思っていたからだ。

あわててスマホを取り出しYOU TUBEでスロージギングの動画を探しまくる。
いくつかの動画に辿り着き、もうその見よう見まねでやってみるしかねえ!

ポイントは大磯沖、指示タナは160~200m、ジグは220g、道糸1.5号。

私の孤独な手探りの闘いが始まった…。


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【釣果】
7時出船、14時沖揚がり
キンメ7枚、スミヤキ4本、スルメイカ1杯

【タックル】
ロッド:TENRYU OCEANIA OC581B-4
リール:SHIMANO SPEEDMASTER201
ライン:PE1.5号、リーダー:フロロ5号

【本日の総括】
案ずるより産むが易し!
なんとかなっちゃいました。

船が港に着くと一足先に帰港していた22号船のイケメン船長が桟橋で待ち構えており、
「釣れましたか?」
と爽やかな声で尋ねてきた。
「ボチボチ釣れました!」と内心嬉しくて仕方のない釣果であったのだがクールに控えめに返答した。

ポイント移動の時の「上げて」の合図があった時だけ大変だけど、青物やタチウオのようにガシガシしゃくる釣りではないし、220gのジグを背負っても疲労感の少ない釣りであった。

しかし冷静に考えたら魚にジグを長くゆっくりと見せるこの釣りって理に適っているし、全てのフィッシュイーターに有効な釣りだよな。

思い切って来てみて本当によかった。

そして楽しみは続く。

キンメの炙り、しゃぶしゃぶ、煮付け。
スミヤキの刺身、干物。

旨い。いや、旨すぎる!

季節限定のこの釣りは、今後私の釣り物ポートフォリオから欠くことの出来ない種目であるだろう。