夕方から夜にかけ立て続けに現場が入っている。
「現場が入る」という日本語は恐らく正しくない言い回しだと思うが、それを仕事と見做すことの出来ない私には、現場という言葉が最もしっくりくる。
こなす現場の空虚さ。
私は生きる実感が欲しくなり、赤い看板に吸い込まれた。
オーダーは
北極ラーメン、麺硬め。
黄金色に輝く泡立つ炭酸飲料をつけたことは会社には内緒である。
辛いラーメンと対峙することは、闘うことである。
生きることも闘うことである。
生きる闘いで勝利することは難しいが、辛いラーメンに勝利することはさして難しいことではない。
だから私は
北極ラーメンを愛しているのかもしれない。