矜持・・・渋谷喜楽

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お気楽勤め人といえども、たまには休日出勤も致します。

土曜日15時の渋谷の街。
カレーのムルギーも二郎インスパイアの凛も生憎と閉まる時間。

少し考えて百軒店の老舗、喜楽に向かった。

半端な時間なので空いているかと思いきや、1階のカウンターは満席。
2階に案内されたが2階も殆どの席が埋まっていた。
盛況である。

ここでの定番、もやしワンタン麺に、仕事前だがこっそりと黄金色に輝く泡立つ炭酸飲料(中瓶)もつけてしまった。

黄金色に輝く泡立つ炭酸飲料を飲みながら待つこと数分、提供されたもやしワンタン麺にはワンタンが只の一つも入っていなかった。
それを中国人女性店員に指摘すると、
「あ、また間違えちゃった!」
といって俺の丼を下げ、厨房へと送るリフトへ乗せたのだった。

また?またって何だよ?

気になりながらも下げられた丼が再び提供されるまで、ボーッと待つしかない。

そして数分後に再提供された丼は、ある程度予想されたことではあったが、すっかりぬるくなったスープに冷えきったもやし炒め、そしてワンタンだけが熱々という悲惨極まりない哀しい一杯だった。

ホスピタリティという概念に欠ける喜楽、この程度の仕打ちは何時だってしかねない。しかしこれはホスピタリティというよりは矜持に関わる問題ではないのか?

文句も言わずに残さず食べたが、一抹の哀しさとある種の怒りは残った。
俺はどうしても「ご馳走さま。」という気にはなれず、哀しみを背負って無言で店を後にしたのだった。

だからと言って喜楽が最悪の店か?と問われれば、そんなことは全くないと答えざるを得ない。

ここはホスピタリティの欠片もなく、矜持にも欠ける店ではあるが、提供される料理は間違いなく旨い。

今後も愛憎をもって付き合っていくしかないのだ。