IN THE FLAT FIELD…8/10平谷湖フィッシング・スポット

俺のHDD式カーナビの地図データは2004年のものなので、当然2004年以降にできた道路には対応していない。

……。

そんな訳で一旦乗った高速を降りちゃったりして、1時間半で着ける距離を2時間半以上かけてドライブする羽目となってしまった。(ちなみに後から地図をよくよく見ると、高速を使うと大幅に迂回したルートを走ることとなり、一般道を使った方が寧ろ早かったかもしれないと気付き愕然。ナビに頼りきりになるのでなく、事前のチェックが大切ですな。)

しかし長い長い中央道恵那山トンネル(全長8649m!)を抜けて園原ICで下りてからのルートは正に絶景というに相応しい素晴らしい景色で、運転していて本当に気分が良い!更に標高が高いので、名古屋市内では早朝にも関わらず30度を示していた車の温度計は20度を示している!これは釣果の方も期待できそうだ。


8時頃(予定より1時間以上遅れて)岐阜県との県境近くに位置する長野県下伊那郡平谷村の「平谷湖フィッシングスポット」に到着。
池は外周470メートル程あるそうでかなり大きいが、なんと既に40人をゆうに超すアングラーが取り囲んでいる。シーズンオフのこの盛夏に、なんなんだこの盛況ぶりは!?

受付で一日券を購入。大勢のアングラーがまんべんなく散っていて、何処に入ったものか一瞬考えたが、とりあえず受付から比較的近いところに釣座を構える。周りを深い緑に囲まれた抜群のロケーションだが、予想に反して水質はヒドイ濁り、更には悪臭も漂ってきてまるで営業末期の王禅寺ファースト・ポンドのような印象だ。とりあえずパイロット・スプーンのNOA2.6サンスイ・オリカラを装着しキャスト、着水後カウント・ダウンでおおよその水深を測る。池の中心部でカウント9~10で着底、2m程の深さだろう。
周りを見渡してアングラーの数をもう一度数えてみる。1、2、サ~ン、4、5、ロ~ク、7、8……。なんと、50人以上います!更に俺はとんでもなく恐ろしいことに気が付いてしまった。いや、でもまさかな…。やっぱり間違いない。こ、こんな恐ろしいことが…。聞きたい?本当に聞きたい? OK、I'LL TELL YOU!
こんなに大勢のアングラーが竿を振っているのに、フライ・フィッシャー含めて誰の竿も曲がっていませんよ!
陽射しが強く、走行中20度を示していた気温とはかけ離れ、体感的には30度くらいある。とりあえず水温を計ろうと水温計を取り出すと『!!!!!!』以前友人(仮にA君)とマルミ・フィッシング・エリアの帰りに立ち寄った潮来つり具センターで(or should I say,イタツリに行く前にマルミに寄った、と。)村田基氏(年齢不詳)から直接頂いた俺の愛すべきWATERLANDペンシル型水温計が壊れているじゃないかっ!

まあ良い。データなんてクソ喰らえだ!情報に頼るなんてうんこだ!俺は狩人、あずさ2号は歌えないが長年の勘だけで未知のエリアを攻略してやるぜ!

ラインを凝視しながらNOAでレンジを刻みつつ探る。しかしこの基本ルアーにアタリもでない。あ、ちなみに本日の使用ライン、村田師匠も“抜群の感度”ど絶賛しておられた第4のライン、GT-Rナノダックスを使用しているのだ、どんな小さなアタリも見逃すはずがないぜ!

フライ・フィッシャーが苦戦しているということは魚はベタ底?でBUXやディープ・クランクを使うもまるで駄目。
考えるのも面倒でなんとなく目についたミニシケイダーを投げてたら…
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水質だけじゃなくて魚のサイズも王禅寺に似てるのかよ!

しかもこの1尾は出会い頭系だったようで、その後も暗黒の時間帯が続いた。

どのくらい時間が経っただろう、気が付くと巨大なトラックが場内に入ってきた。「なんでトラックが?」って、勿論待望の放流車ですよ!

放流ポイントから離れていた俺は遠くの放流魚も根こそぎ掻っ攫う伝説のルアー、オリエン4gRGを装着し、来るべきフィーバー攻勢に備える。

…。

……。

………。

アレ?

ええ、備えは万全でした。でも全然釣れないじゃないか!

周りを見渡してもポツリ、ポツリ釣ってる輩はいるが、池全体の活性が上がっているようにはとても見えない。しかも釣ってるのは殆どがフライ・フィッシャーじゃないか…。

10時半頃唐突に「ピンポンパンポーン、只今から食堂の営業を開始します。」とまるで白河FSのような場内アナウンスが流れた。当然朝飯などという生ぬるいものを摂取していない俺は、とりあえず1尾釣ったら昼食にしようと決めた。

…。

……。

こっそりペレスプを使ったのだが、それでも釣れない…。
平谷湖フィッシング・スポット、俺の中で日本一釣れない管釣りに決定!

もう駄目だ、こうなりゃ恥も外聞もない、俺はスティックを使っちゃうもん!しかしワレットを見渡しても2本だけ忍ばせておいた俺のスティックが見当たらない。
『そうだ、先日のパインレイク釣行時に全く釣れていなかった同行者のfIVEとBIG FIGHT君に気前良くあげちゃったんだ!』

これで完全に手詰まった。

先の決意を政治家並みの早さで翻意し、俺は気分を変えるべく食堂に向かった。
自販機で350ミリ缶ビールを買う。350円?釣れないくせに高いぞ!食券の券売機で天ぷらそばを求める。600円?立ち食いソバの分際で高いぞ!
しかし予想に反してこのソバ、歯ごたえのあるもっちりとした田舎蕎麦で、更に太さが不均一なので手打ちか機械を使ったとしても自家製麺であることは疑いようもなく、凄まじい美味さだった!
…。そうだ、俺はここに蕎麦を食いに来た事にしよう!蕎麦食うついでにたまたま釣りに立ち寄っただけなんだ。
でもこのまま帰るわけにもいかないので釣り再開。

なんか気温は更に上がっているで、汗が吹き出す。

池をじっと見ていた俺は、ここで本当に恐ろしい事実に気が付いてしまった。
以下、ノンフィクションである。

一人の初老の男性職員がバケツと長い柄のついた網を持って延々と池を周り、死魚を回収している。彼は休む事無く、一心不乱に死魚を回収し続けている。バケツが一杯になると何処かに死魚を捨て、また黙々と死魚の回収を始める。「?」おかしい。彼は休みなく働いているというのに、それでも死魚は全く減らないぞ?
すると俺の目の前に、弱々しく小さなニジマスが浮いてきて、間もなくくるりと反転し腹を上に向けて絶命した。
これって、水温が高すぎるんじゃねえの!?そういえばこの巨大な池、インレットが何処にあるかわからず、水の流れがよくわからない。俺は周囲をくまなく見渡しインレットを探す。すると、駐車場側にチョロチョロと力なく僅かな水が流れ込むインレットを発見した。人造池ながら“平谷湖”って名付けちゃうほど巨大な池の割には流れ込む水の供給量が極めて少なく、結果水の循環がなされないから水質は悪くなり、水温も高くなる。今日の不調の原因はこれか!
これでは放流したそばから魚の活性が落ちるのも頷けるし、魚にとっても生命の危機に瀕していたらルアーを追う元気などあろうはずもない!

午後3時までに俺はトータル5尾しか釣れなかった。しかも全てがこんなサイズだ↓。
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でも粘っても結果は同じだろうと見切りをつけ、終了まで3時間を残して納竿した。

期待が大きかっただけに失望も大きく、記事も辛口になってしまった。
あとは猫の肉球でも眺めて癒すしかない。
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(協力:実家の猫ちゃん)

【釣果】
8:15~15:00
5尾(ニジマス

【タックル】
ロッド:TAPER&SHAPE GAAS-66XULT
リール:TWINPOWER 1000PGS
ライン:GT-Rナノダックス 3.0lb

【ヒット・ルアー】
ミニシケイダー、オリエン4g(消人肌)、鱒玄人2.9(ラッシュ・クロゴキ)

【本日の総括】
一説によると管釣りブームは天井を打ち、今では一時ほどの勢いはないと聞く。それでもこれだけ大勢のアングラーを集める平谷湖、いくら蕎麦が美味いからと言って釣りで美味しい思いをしないアングラーがリピーターになるわけないのだから、気候が良ければもっと楽しめる場所であるに違いない。今日は日が悪かったと思って諦めよう。またの機会にと言いたいところだが、遠いので簡単に再訪できないところが辛いけどね…。
しかし、近くには正に“清流”と呼ぶに相応しい川が流れていて、水質にかんしてはもう少しなんとかならないのだろうかと思わないでもない。でも冷静に考えたら川べりの道から平谷湖までは上り坂だったな…。う~ん。